【大宮】イバは伸び悩むチームの“救世主”となれるか――。加入後3週間で早くも見せる大黒柱の風格

2020年09月14日 松澤明美

「(大宮は)J1にいるべきチーム」

イバは17節・岡山戦で移籍後初ゴール。出場3試合目でその存在を確固たるものにした。写真:山崎賢人(サッカーダイジェスト写真部)

[J2リーグ19節]大宮1-1山形/9月13日(日)/NACK5スタジアム大宮

 J1昇格候補の大宮アルディージャが伸び悩んでいる――。

 第19節のモンテディオ山形戦を終え、7勝4分7敗の13位。新型コロナウイルスの感染者が出たため、第9節のアビスパ福岡戦は延期となって1試合少ないが、首位のギラヴァンツ北九州とは勝点16差、2位のV・ファーレン長崎とは勝点13差と自動昇格圏が遠い。

 足踏みする理由のひとつは得点力不足で、16得点はリーグ3番目に少ない数字。また今季は、2得点以上の試合がわずか3試合ともどかしい状況だ。しかし、リーグ日程は半分以上も残っており、追撃のチャンスはまだまだある。

 そこで"救世主"として期待されるのは、今夏に新加入したFWイバだ。

 J1の横浜FCから完全移籍してきたイバは、昨季までのJ2の4年間で計78ゴールを量産。2017年にはJ2得点王にも輝いている。ただJ1昇格を果たした今季は、リーグ戦の出場はわずか1試合にとどまり、「試合に出る、サッカーをすることがとても好きなので大宮に来ると決め、大宮でサッカーをしていきたいと思った」と活躍の場を求めて門を叩いた。
 
 190センチ・88キロの圧倒的フィジカルを持ち、Jリーグと日本人を熟知する助っ人は、「試合に勝つことができるプレーがしたい」と所信表明。「(大宮は)J1にいるべきチーム。勝点3をどんどん積み上げて、私たちのいるべきところ、J1に戻れたら」と決意を語る。チームには8月26日に合流し、29日の長崎戦で69分からピッチに立って大宮デビューを飾った。

 出場3試合目の第17節・ファジアーノ岡山戦では移籍後初ゴール。技ありの鮮烈なシュートで、その存在を確固たるものにした。

 先発すると積極姿勢を前面に打ち出し、攻撃陣とともにどんどん仕掛けていく。報われたのは21分。イッペイ・シノヅカの右からのパスを、ゴールに対して後ろ向きで受け、素早く身体を回転させて豪快にネットを揺すった。結果的に勝ちには結び付かず引き分けたが、早くもチームの大黒柱としての風格を見せた。
 

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