【J1】サッカーダイジェスト担当記者が2015シーズンを展望 浦和編|興梠とズラタンは共存できるか?

2015年03月05日 塚越 始(サッカーダイジェスト)

昨季からの課題、求められる「第2のストライカー」の活躍。

興梠はシャドー、李はCF、柏木はボランチ、梅崎と宇賀神と関根は両WBにも対応可。/フォーメーション内、赤字の選手は新戦力。

 Jリーグ開幕よりひと足先にアジア・チャンピオンズリーグで今季の公式戦を迎えたのがG大阪、浦和、鹿島、柏の4チーム。アジアの舞台で見えた収穫と課題はいかなるものだったのか。
 
 ここでは、9年ぶりのリーグ制覇を狙う浦和をクローズアップ。ACLでのパフォーマンスを踏まえ、3月7日のJ1開幕に向けた見どころと躍進へのポイントを探る。
 
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浦和レッズ
昨季リーグ成績:2位(J1) 勝点62 18勝8分8敗 52得点・32失点
 
Q
ACL2試合とスーパーカップで見えた収穫と課題は?
 
 プレシーズン中は新加入組のズラタン、石原、橋本らが試合を重ねるごとに戦術に馴染み、右腓骨骨折をしていた興梠も順調に回復。ニューイヤーカップ鹿児島ラウンドは充実の内容で、2勝1分(磐田と清水に勝ち、熊本に引き分け)の成績を収めて優勝するなど、仕上がり具合は非常に良い――はずだった。
 
 ところがガチンコ勝負の公式戦が幕を開けると、ACL2試合、スーパーカップで3連敗。グレードが上がった対戦相手に、こだわってきた「自分たちのリズム」を崩されてしまうと臨機応変に対処し切れず、苦戦している。
 
Q
Jリーグ開幕までに修正すべきポイントは?
 
 浦和の強みは選手層だが、これまでのところ新戦力のなかでレギュラーポジションを確保できている選手はいない。特殊な戦術を採用しているだけに、感覚的に周囲と呼吸を合わせてプレーできるまでには時間がかかる(青木も1年かけて、ようやく持ち味を出せてきた)。
 
 待望の左利きのWB橋本、そしてズラタンが果たして開幕戦で先発するのか。それとも連係面を重視し、既存戦力中心で臨むのか(そのほうがある程度戦いに目処は立つが……)。今後、新加入組がどのように戦力として食い込んでくるのか、それとも時間がかかってしまうのか、まだ不透明ではある。
 
 また、ACL2節のブリスベン戦で、ペトロヴィッチ監督が4年目にして、初めてスタート時から3-5-2を採用した。前線に興梠とズラタンが並び、トップ下に柏木が入るという布陣だったが、「良い距離感でできなかった。シュートまで行けなかった」(柏木)と不発に終わった。
 
 結局、後半開始からミシャスタイル本来の3-4-2-1に戻し、息を吹き返した。他チームに戦術が研究されているため、今後を見据えたうえでも、布陣のオプションは増やしておきたい。他にも李、武藤らストライカータイプはおり、果たしてこれからも2トップを試していくのかは注目点だ。

Q
現在チームを牽引する好調の選手は?
 
関根貴大
 
 積極性が光る。スーパーカップでは左WBの彼が唯一ゴールの匂いを漂わせ、逆に他の前線の選手たちの不甲斐なさが際立つ形に。守備の負担が減り、その積極性がより活きるシャドーでの起用も見てみたい。
 

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