【甲府】リーグトップの積極的なターンオーバー!栃木戦で強く印象付けた“新たなスタート”とは…

2020年08月31日 サッカーダイジェストWeb編集部

甲府はここまで勝点22で7位につけている

ここまで出場した27人中、25人が先発の機会を得ている甲府。写真:田中研治

[J2リーグ15節]甲府0-1栃木/8月30日(日)/山梨中銀スタジアム

 前節から先発が6人入れ替わったヴァンフォーレ甲府は栃木SCに完封負けを喫して今季初の連敗となった。オーガナイズやチームがやろうとしている方向性はブレずにできていたが、球際の強さやプレスの迫力など局面でのプレー強度で上回る相手にペースを握られ、試合を進められた。

 後半開始直後の失点も大きく崩されたというよりは、サイドでのプレスの遅れ、寄せた場面で潰しきれなかった部分が大きく、クロスに対しても中央はDFが揃っていたが、自由にヘッドを許しすぎていた。相手のプレーの質が良かった点はあるにしても、ミスやエラーがこれだけ重なればゴールを奪われるのは必然だ。一つひとつの問題を修正し、次への糧としなければいけないだろう。

 2連敗と現状は苦しんでいるが、ここまで勝点22の7位につけていることは積極的なターンオーバーを採用したなかでは及第点と言えるのではないか。いずれもリーグトップとなる1試合当たり平均6.07人、中2、3日の試合に限れば平均8.38人の先発を入れ替えている。
 
 中2、3日での"5連戦"が6度もある今季を戦い抜く上では、選手の疲労を抑え、怪我のリスクを低減しながら試合を重ねていることは、今後のアドバンテージになる要素と言っていいだろう。

 新型コロナウイルスの影響で日程が再編され、水曜に試合がある"連戦"がベースとなる今季を戦う上で、伊藤彰監督は「(全42節中)全員が20試合ぐらいに出るイメージ」と6月下旬のリーグ再開前から語っていた。再開直後の3連戦から7~9人を入れ替えるターンオーバーを積極的に導入。若手やルーキーも躊躇なくピッチに送り出し、多くの選手が実戦の場で成長できる機会を得ている。

 最初の5連戦となった第10から14節までも8、9人を入れ替えて2勝2分け1敗。若手が多かった"水曜組"が2勝するなどチーム力が底上げできていることを示した。指揮官は5連戦を一つのセットと捉え、"週末組"と"水曜組"を入れ替えることにもチャレンジした。2度目の5連戦の始まりとなった栃木戦でも先発が半数以上入れ替わり、新たなグループでの戦いがスタートした印象を強く与えた。
 

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