2004年以来の２ステージ制で開催される2015シーズンのJ１が、いよいよ３月７・８日に開幕する。果たして、開幕戦に臨む各チームの仕上がりはいかなるものか。
 
　ここでは、J１初参戦となる松本をクローズアップ。オフからの動向を踏まえ、今シーズンを展望する。
 
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松本山雅FC
昨季リーグ成績：２位（J２）　勝点83　24勝11分７敗　65得点・35失点

Q１
オフの採点。 補強を含めたここまでの準備は100点満点で何点？
90点
　初のJ１に向け、計15人の新戦力を補強。CFのオビナ、シャドーの池元、最終ラインには坂井など各セクションに即戦力を加え、層は確実に厚くなった。
 
　静岡（御殿場と清水）、鹿児島と計３回に分けてキャンプを張るなか、主力メンバーで臨んだ２月21日の横浜とのプレシーズンマッチでは、終了間際の鐡戸のゴールで１-０の勝利。キャンプ中に整備してきた守備面がどれだけ機能するかがひとつの焦点となったが、見事完封に成功した。
 
　３バックを形成する酒井、後藤ら新顔は及第点のパフォーマンスを見せた一方、オビナ、池元、前田らニューカマーも持ち味を存分に発揮。攻撃面の構築はまだ不十分ではあるが、ここまでは順調な仕上がりを見せていると言える。
 
Q２
昨季から大きく変わった点は？
　基本的には大きな変化はない。田中も「タフでクリーンなサッカー、最後まで諦めないサッカーという基礎は変わらない」と語る。ベースとなるスタイルを今季も貫きつつ、「精度を上げていきたい」（田中）という姿勢でJ１残留を目指す。
 
　メンバー的に見れば、最終ラインと前線がリニューアルしそうだ。３バックは飯田を軸に、残り２枠を酒井、坂井、後藤の新戦力が競い合う構図だ。２シャドーは船山（川崎に移籍）の抜けた穴を池元、前田が埋め、CFには新助っ人のオビナが収まるだろう。
 
Q３
チームの最大の強みと懸念材料は？
　最大の強みは、"90分間フルパワー"なる驚異のハードワーク。チーム全員が攻守両面で献身的に動き回り、相手の良さを出させないように先手を打ち続け、一瞬の隙を狙ってゴールを陥れる。色気を出さず、持ち味であるガムシャラさを前面に押し出して謙虚に戦う姿勢を貫徹できれば、望むべく結果を手にできるはずだ。
 
　懸念材料は、J１の舞台で攻撃力がどれだけ通用するか。守備はある程度、計算できるが、ゴールを奪うとなると、他クラブとの戦力的な差を考えても、おそらく押し込まれる時間帯が長くなるはずで（ポゼッションでも下回るだろう）、カウンター以外の戦略を確立しておきたい。田中や岩沼の両ウイングバックからのクロスを活かすサイド攻撃や、CF＋２シャドーのコンビネーションをさらに高めることで、活路を見出すしかない。