【湘南】内容は悪くないのに、なぜ1点差に泣くのか。最下位脱出のために不可欠な"改善点"を考える

2020年08月14日 佐藤亮太

低迷する"歯がゆさ"を払拭するために…

最下位からの脱出を目論む湘南イレブン。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部)

 今季の湘南ベルマーレは1点差に泣いている。

 ここまでのJ1リーグ9試合の戦績は1勝1分7敗。7敗のうち、1点差負けが6試合もある。内訳は「0-1」の負けがベガルタ仙台戦(2節)、セレッソ大阪戦(8節)、サンフレッチェ広島戦(9節)の3試合。「2-3」の1点差負けが、浦和レッズ戦(1節)、横浜F・マリノス戦(3節)、柏レイソル戦(5節)の3試合で、いずれの試合も先制しながら逆転で敗れている。なお唯一の2点差負けとなった7節の川崎フロンターレ戦(1-3)も先制しながらの敗戦だった。

 ゴール数は横浜FCと並び「8」と下から2番目の少なさ。得点力ともに守備面にも問題を抱えている。

 これまでの15失点を振り返ると仙台戦のように風に乗ってそのまま決まった不運なケースがあれば、横浜戦ではMF天野純、柏戦ではFW神谷優太とこのゲームで絶好調の選手にやられた試合もあった。また前節の広島戦では19歳GK谷晃生を中心に24本もの敵のシュートを凌いだものの、前半終了間際に決められた広島MF浅野雄也のゴールに泣くなど、頑張りが報われないゲームとなった。
 
 全体的に内容はそれほど悪くはないだけに、リーグ最下位という現実はなんとももどかしい。

 それにしてもなぜ、1点差負けが多いのか。そのヒントが8月6日の練習にあった。ミニゲームで、左サイドからドリブルを仕掛けられた際、対応した選手が簡単にシュートを打たれ、決められてしまった。その瞬間、「そこなんだよ!」と浮嶋敏監督が寄せの甘さを厳しく指摘した。

 後日会見で浮嶋監督はこのシーンを踏まえ、チームの現状について「ピンチを防ぎ、チャンスで決めることが結果につながっていく。たとえ全般的に良い試合をしても、際(きわ)のところが緩ければ、結果は出ない。1点差のゲームではその際(きわ)が大事」と強調した。『神は細部に宿る』というように、些細なプレーの積み重ねが最終的に勝点につながるということだろう。

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