「これでサッカー人生決まるから」Jリーガーの兄を慕う阪南大FW山口拓真がスカウトの前で誇示した異質な存在感!

2020年08月13日 安藤隆人

「練習ができている、できていないなんて関係ない。要は『ここで見せろ』ということ」

コネクティング・サポート・セレクションin関西に参加した山口。積極的な姿勢でゴールを狙った。写真:安藤隆人

 新型コロナウイルスの感染拡大の影響により、今季はインターハイが中止となったり、各地区の大学リーグが延期となるなど、学生たちの活躍の場が極度に制限される異例のシーズンとなっている。とりわけ、プロ入りを狙う学生たちにとっては大きなダメージとなっているが、この現状を受けて各地ではJリーグや大学チームのスカウトを集めて合同トライアウトが開催されている。

 8月11日には、Jグリーンのメインスタジアムでコネクティング・サポート・セレクションin関西(株式会社リトルコンシェル主催)の大学生の部が、16時と18時の2回に分けて行なわれた。

 18時の部で、ひと際気合いを漲らせ、相手をなぎ倒すようなドリブルとどこからでもシュートを狙っていく果敢なプレースタイルで、異質な存在感を見せたのが阪南大のFW山口拓真だ。

 1本目は2トップの一角で出場をすると、フィジカルコンタクトを苦にしない力強いドリブルで縦への推進力を見せる。2本目も1トップに入ると、左サイドをドリブルで3人のマークを抜き去ってマイナスのクロス。さらにカウンターの際にハーフウェーライン付近でボールを受けると、鋭いターンから迷わず右足を一閃。これはブロックに入ったDFに当たったことで威力が弱まり、GKに抑えられてしまったが、ダイナミックなプレーは間違いなくスタンドに集まった28クラブのJクラブスカウトの目を引いたことだろう。

 4本目は4-1-4-1の左に入ると、鋭い出足のインターセプトからミドルシュートを放つなど、この日はゴールこそなかったが、前線とサイドで持ち前の攻撃センスを披露した。その山口に話を聞くと、プレー同様に勢いよく自らの思いを口にした。

「このトライアウトに至るまで、全体練習もなかなかできずにぶっつけ本番の状態だったので、コンディション的には難しかった。でもスカウトの人からすれば、誰が練習できている、できていないなんて関係ないですし、要は『ここで見せろ』ということじゃないですか。そこは割り切ってやりました」
 

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