香川と内田の日本人対決だけじゃない! 「ルールダービー」の見どころチェック!

2015年02月27日 遠藤孝輔

リーグでの対戦成績はまったくのイーブン。

6節の対戦前に行なわれたフォトセッションでの一コマ。熱狂のルールダービーはスポーツの枠を超えて関心を集める一大イベントだ。 (C) Getty Images

 バイエルンとケルンによる名門同士の一戦で幕を開けるブンデスリーガ23節は、後半戦の成績では首位のヴォルフスブルクと同2位のブレーメンの激突など、注目カードが目白押し。なかでもドルトムントが宿敵シャルケを本拠地に迎えるルールダービーは、ドイツ最大級のスポーツイベントとして、サッカーの枠を超えて関心を集めている。

【写真】内田篤人「ブンデス戦記」Vol.1
 
【写真】香川真司 IN ドルトムント2010-2012

 ホームタウンが20キロほどしか離れていない両チームのライバル意識は筆舌に尽くしがたく、普段はサッカーに無頓着な地元の人さえ、ダービーの結果に一喜一憂する。今から4年半前、自身初となるダービーに臨んだ香川真司が2ゴールの活躍を見せ、一夜にしてドルトムント中のアイドルになったのは有名な話だ。
 
 そのビッグマッチの取材に訪れていた私は、滞在先だったゲルゼンキルヘンのホテルのスタッフから「正直、サッカーに興味はないよ。でも、シャルケに勝ってほしい。町も人も明るくなるから」と言われたことをよく覚えている。
 
 もちろん、当日のスタジアムは凄まじい熱気に包まれる。ただし、物々しい雰囲気はなく――ゴール裏は話が別だろうが――、両チームのファン同士が隣席で観戦している光景が珍しくない。老若男女が安心して、その大一番を楽しめる環境が整っており、世界屈指の観客動員数を誇るブンデスリーガならではの美徳を肌で感じることができる。
 
 ルールダービーの歴史を紐解けば、ブンデスリーガでは過去に85回の対戦が実現している。通算成績は互いに30勝25分け30敗と、まったくのイーブン。直近5試合に限れば、3勝1分け1敗のシャルケに軍配が上がるが、21世紀に入ってからは僅差での決着が多い。3点差がついたのはシャルケが4-1で勝利した2007年8月のゲームだけで、今回も手に汗握る接戦となる可能性が小さくない。
 
 意外なのは2月27日時点での大手ブックメーカー2社のオッズ。ドルトムントが圧倒的な支持を得ているのだ。
 
『ウィリアム・ヒル』
ドルトムント勝利=1.44倍
引き分け=4.40倍
シャルケ勝利=7.00倍
 
『bwin』
ドルトムント勝利=1.53倍
引き分け=4.00倍
シャルケ勝利=6.00倍
 
 これほどの差が付いているのは、シャルケが2試合白星から遠ざかっている一方で、ドルトムントがホームの地の利を得るうえ、3連勝中と波に乗っているからか。

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