「俺を見てくれ!」大津高の点取り屋がプロ入りへ強烈アピール!! 合同トライアウトで覚悟を示す鮮烈ショット!

2020年08月07日 安藤隆人

進路が決まっていない高校3年、大学3・4年を対象に合同トライアウトを開催

合同トライアウトで存在を示した大津高の宮原。直前の交流大会でもハットトリックを達成するなどストライカーとしての能力の高さを見せた。写真:安藤隆人

 8月3日、4日の2日間にわたって、熊本県の大津町運動公園球技場において、『コネクティング・サポート・セレクションin九州』が行なわれた。これは株式会社リトルコンシェルが主催し、九州だけでなく、中国、関西、東海(※東海は高校生の部が中止、大学生の部は延期)の4地域で、進路が決まっていない高校3年生、大学3、4年生を対象に行なわれた合同トライアウトだ。

 39のJクラブ、強豪大学などのスカウトたちが熱い視線を送るなか、九州での2日間は3日の15時から大学生の部、17時半から高校の部が行なわれ、4日は10時、15時半、17時半の3回の高校生の部が行なわれた。

 その中で高校生の部で特筆すべき活躍を見せた選手がいた。大津高のFW宮原愛輝だ。今季、対外試合負けなしで直前に行なわれた2020強化交流U-18サッカーフェスティバルin九州でもハットトリックを達成するなど全勝優勝に貢献したストライカーは、4日の15時半の部に登場。人数の関係で20分×3本(他は4本)のラスト3本目の終了間際に強烈なシュートを突き刺して、最後の最後で意地を示した。

「自分の良さはゴールへの意欲とシュート、それを出すためのオフ・ザ・ボールの動きと、切り返しの切れなどを意識して取り組んできました。それを今日は絶対に出し切ると思っていたので、最後にゴールを決めることができたのは良かったと思います」

 相当な決意をもってこのトライアウトに臨んでいた。彼の第一希望は高卒プロ。その意思は固かった。
「周りのみんなが進路を決めている中で、僕はとにかくプロに行きたくて、大学の話を進めていなかったのもあったので、自分だけ何も前に進んでいない感じがしたので、悩んでいました。それにインターハイが中止になって、プレミアリーグもなかなか始まらず、プロのスカウトの人たちに見てもらえるチャンスもなく、自分の気持ちも晴れない状態でした。でも、今回のトライアウトの参加が決まって、これに全てを懸けようと思っています」

 今季、大津では3トップの左を担い、抜群の動き出しで裏を狙ったり、得意の切り返しを生かしたドリブルでシュートを放つなど、ダイナミックなアタッカーとして存在感を放つ一方で、センターフォワードの半代将都、右の坂本との距離感を見ながら、ワンタッチプレーでリズムを作ったり、周りを生かすプレーの精度も上がって来た。だが、プロからのオファーは届いていない。それでもチャンスがある限り、簡単に高卒でのプロ行きを諦めたくなかった。
 

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