世代屈指のレフティが西川潤に続き世界を驚かせるか?神村学園のスーパー1年生がU-16日本代表の主役を担う

2020年07月28日 松尾祐希

神村学園中時代から将来を嘱望されてきたレフティ

神村学園の大迫がU-16日本代表合宿で軽快な動きを見せた。写真:松尾祐希

 繊細な左足のタッチに一撃必殺のスルーパス。ボールを持てば、観る者をワクワクさせる。神村学園の大迫塁。1年生ながらチームのエースナンバー・14番を託された有望株だ。

 大迫が初めてその名を全国に轟かせたのは昨年10月の茨城国体。16歳以下で構成される少年男子の部で鹿児島県選抜に名を連ねると、中学3年生ながら主力として活躍。年上の相手を向こうに回し、確かな技術で存在感を発揮した。

 その大迫は今春に神村学園の高等部へ進学。有村圭一郎監督は入学前の2月の時点で大迫にエースナンバーを託す意向を持っていた通り、高校1年生ながら、すでにトップ下やサイドハーフの位置で攻撃の中核を担っている。

 所属クラブでさらなる飛躍が期待されている中で、もうひとつ忘れてはならないのがU-16日本代表でのプレーだ。特に今年は11月下旬にU-16アジア選手権が開催される。ワールドカップの出場権が懸かっており、チームの主軸候補として歩みを止めているわけにはいかない。

 神村学園中時代から将来を嘱望されていたレフティは世代別代表にも継続的に名を連ね、昨年9月のU-16アジア選手権予選ではU-15日本代表の一員として全3試合に出場。2試合目のU-15カンボジア代表戦ではキャプテンマークを巻くなど、森山佳郎監督は技術だけではなくリーダー候補のひとりとしても大きな期待を寄せている。

 大迫は7月22日から千葉市の高円宮記念・JFA夢フィールドで開催されたU-16日本代表候補合宿にも順当に名を連ねた。ただ、新型コロナウイルス感染拡大の影響で今回のキャンプが今年初めての活動。誰もが所属チームで満足のいくトレーニングを積めていなかったものの、大迫は25日の紅白戦ではボランチやサイドハーフのポジションでパスセンスの高さを発揮する。

 得意のスルーパスこそ鳴りを潜めたが、気の利いたポジショニングと視野の広さを生かした展開力で攻撃を牽引。CKからもチャンスに絡み、非凡な才能を垣間見せた。チーム立ち上げ当初から見てきた森山監督は大迫の可能性についてこう話す。

「右サイド(ハーフ)もやってもらいましたが、所属チームではインサイドハーフを主にやっているので、(攻撃センスを)ボランチで生かしたい。ただ、サイドの位置から中に入り、ポジションに囚われずにもう少し2トップに近い位置で仕事をさせてみたい。なので、今回はそのチャレンジもさせました」
 

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