【神戸】ここ2戦ノーゴール…昨季王者から3点を奪ったゼロックス杯当時との違いは? 比較・考察から見えてくるのは…

2020年07月27日 白井邦彦

最大の収穫はフェルマーレンの復帰

ビルドアップや持ち上がりでも強みを発揮するフェルマーレン。写真:田中研治

[J1リーグ第7節]神戸 0-2 G大阪/7月26日/ノエスタ

 相手よりも多くの決定機を作りながら勝ちきれない。神戸がいまひとつ波に乗れないのは、内容に対して結果が伴っていないからだ。 

 0−2で敗れた第7節のガンバ大阪戦でもその傾向が見られた。古橋亨梧だけでも3度のビッグチャンスがあったが決めきれず。ファインセーブを連発したG大阪のGK東口順昭を褒めるべきかもしれないが、どれか1本でも決まっていれば結果は変わっていたかもしれない。

 トルステン・フィンク監督は試合後にこう振り返っている。

「チャンスをモノにできないチームは勝てません。今日は4バックでリスクをかけて試合に入った中で、終盤にはフォーメーションを変え、最後の30分は多くのチャンスを作った。だが、チャンスで決めないと意味がありません」
 
 6節のセレッソ大阪戦、今節のG大阪戦と2試合続けての無得点。この結果を受け、チームが進む道は大きく2つある。チャンスを作れているのだから問題ないと考え現状を継続する道。もうひとつは、点が取れるようにチームのベクトルを変える道。どちらが正しいかは結果論でしか分からない。が、得点できている時と現在とを比較し、考察する必要はある。

 好例としては、2月の富士ゼロックス・スーパーカップだ。昨季J1王者の横浜F・マリノスを相手に壮絶な打ち合いを演じ、3-3の引き分けからPK戦を経て勝利へとたどり着いた。試合後、山口蛍は「3点取られてはいけない」と反省したが、それでも無得点で終える気配はなかった。

 その試合の約1か月前に天皇杯を制した自信が、いい結果を呼び込んだのかもしれない。だが、その答えはあまりにも曖昧なもの。目に見える違いはメンバー構成にもある。

 ゼロックス杯を最後に、今季はアンドレス・イニエスタ、トーマス・フェルマーレン、セルジ・サンペールという元バルセロナの3人が揃った試合はない。ここに大きな違いがあると仮定するなら、今節のG大阪戦で得た最大の収穫はフェルマーレンの復帰になる。
 

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