【横浜】不用意なミスで鹿島相手に大量失点…苦境に立たされるJ1王者復活の鍵は“アスリートの要素”

2020年07月19日 藤井雅彦

「自分たちのミスから失点したことが敗因」

大量4失点で鹿島に敗れた横浜。現在14位とJ1王者が厳しい状況に直面している。写真:田中研治

[J1リーグ5節]横浜2-4鹿島/7月18日(土)/県立カシマサッカースタジアム

 ここまで1勝1分3敗の14位と、前年度チャンピオンが苦しんでいる。

 アンジェ・ポステコグルー監督は就任3年目を迎え、優勝メンバーの多くが残留し、そこに水沼宏太やオナイウ阿道といった実績のある選手も加わった。ボール支配率も依然として高い。しかし、それが結果に繋がっていないのが実状だ。

 7月18日の鹿島戦では単純なミスで自分たちの首を絞め、今季ワーストとなる4失点を喫した。これにはポステコグルー監督も「自分たちのミスから失点したことが敗因」と首を横に振るしかない。チームの性質上、ピンチの多くがミス絡みで、たった1本のパスミスや、トラップミスが失点に直結するシーンも珍しくない。

 だが4失点目が象徴するように、さすがに目に余るものがある。自陣でのボール回しの最中、畠中槙之輔の不用意な横パスが相手選手に渡り、前寄りに位置を取っていたGK梶川裕嗣の頭上を越されるループシュートを決められてしまった。こんなお粗末な失点を食らっていては、昨季の得点王マルコス・ジュニオールが素晴らしいゴールを2つ決めても、試合に勝つのは難しい。
 
 裏を返して言えば、勝点が伸びない原因は明白だ。鹿島戦後、扇原が「ボールの失い方が悪ければ、どのチームでもピンチになる。失い方がいい時は切り替えのところでボールを奪い返すことができて二次攻撃、三次攻撃ができる」と問題を指摘していたように、ボールの失い方は大きなポイントだろう。

 正しい位置関係と距離でボールを動かせていれば、守備に切り替わってからも先手を取れる。すぐにボールを奪えなくても、自由を奪って制限することはできるはずだ。鹿島戦では大きなサイドチェンジからディフェンスラインの背後を狙われたが、その前段階に問題が潜んでいる。

次ページ中断期間が与える影響は他チーム以上に大きい

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