ミスしても崩れない“リカバリー力”をスカウトも称賛!来季鹿島内定の明大守護神、早川友基の真の実力

2020年07月17日 安藤隆人

開始2分にまさかの連係ミスで今季初失点を喫するが…

来季の鹿島入団が内定する明治大GKの早川。関東大学リーグ連覇を目指すチームを最後方で支える。写真:安藤隆人

 GKはミスが失点に直結する。どれだけ力のあるGKでもどこかでミスをするし、それは成長のために必要な要素である。だが、GKにとって重要なのはそのミスの後のメンタリティーにある。そのまま崩れてミスや失点を重ねてしまうのか、立て直して冷静に自分のプレーを続けられるのか。そこに本質がある。

 来季、鹿島アントラーズに加入が内定している明治大GK早川友基は、関東大学リーグ2節の立正大戦でその本質を見せつけた。

 開始早々の2分、立正大のGK深谷圭佑のロングキックが明治大のディフェンスラインの裏に届くと、抜け出したFW坂井剛に対し、早川とG大阪内定のCB佐藤瑶大が譲り合う形となってしまい、そのまま坂井にゴールを許してしまった。

 まさかの連係ミスでいきなりの今季初失点。大きく出鼻を挫かれた明治大は相手の5バックを軸にした強固な守備と、前線のFW小川大智をターゲットに坂井と近藤拓海の2シャドーのスピードを駆使した鋭いカウンターの前にリズムを掴めない時間が続いた。

 だが、ここでゲームを落ち着かせようと高い位置をとって積極的にポゼッションに参加したのが早川だった。

 佐藤、常本佳吾(鹿島内定)、蓮川壮大(FC東京内定)の3バックがラインを下げないように、常本と頻繁にコミュニケーションを取りながらラインコントロール。積極的にボールを呼び込んで、後ろからビルドアップを丁寧にやることで、相手のペースに引きずり込まれそうだったチームを落ち着かせた。

 それでも前半は立正大の堅い守備の前にゴールをこじ開けることが出来なかったが、後半になると徐々に相手のブロックに隙が生まれるようになり、明治大らしいボール回しでアタッキングエリアまで押し込む回数が増えていった。

 リズムが生まれたことでより明治大は前がかりになった。そうなると当然リスクも大きくなるが、それを理解している早川は最後尾から冷静な目を光らせ続けた。57分、明治大はFW小柏剛(北海道コンサドーレ札幌内定)のパスを受けたFW佐藤凌我が同点弾を挙げると、チームは完全に息を吹き返した。

 だが、直後の62分に立正大のカウンターを浴び、決定的なピンチが訪れた。坂井のラストパスを受けたMF田中宏武が完全に抜け出して早川と1対1になるが、早川は慌てることなく自分の間合いに持っていくと、田中のシュートモーションまで完全に読み切り、至近距離のシュートを横っ飛びでセーブ。

 早川のスーパーセーブで立正大の勝ち越しを阻むと、明治大は69分に小柏が逆転ゴールを叩き込み、後半アディショナルタイムには交代出場のFW太田龍之介がダメ押しの3点目を挙げて、3−1の勝利。開幕2連勝を飾った。
 

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