【セルジオ越後の天国と地獄】ACLで優勝したいなら、他にやるべきことがあるはずだ

2015年02月19日 サッカーダイジェスト編集部

強化費を上乗せした協会のやり方には疑問。

チョンブリFCを下してACL本選行きを決めた柏だが、決定力不足を露呈するなど先行きに不安ものぞかせた。写真:菅原達郎(サッカーダイジェスト写真部)

 Jリーグの開幕が近づくなか、2月17日にACLプレーオフのレイソル対チョンブリFC戦が行なわれたね。試合はなんとかレイソルが延長戦の末に勝利し、ACL本選への出場を決めた。でも、危なっかしい試合だったね。47本のシュートを放ちながらも、なかなか決めきれずに2度も同点に追いつかれている。まだコンディションが整っていないこの時期とはいえ、格下の相手にあの戦いぶりでは、先行きが不安だね。

 ここ最近、Jリーグ勢はアジアレベルの戦いでまったく結果を残せていない。昨季のACLではセレッソ、サンフレッチェ、フロンターレがラウンド16止まり。マリノスに至ってはグループステージすら勝ち抜けなかった。結局、大会を制したのは、オーストラリアのWSW。先日のアジアカップでもオーストラリア代表が優勝したし、今のオーストラリアは勢いがあるね。Aリーグも盛り上がっているようだし、そういう良い雰囲気を作り上げている国は、やっぱり結果を出すものなんだ。

 一方で、日本はどうかな。日本代表はアジアカップでベスト8止まりだし、Jリーグ勢も前述のような成績だったからね。今季のACLで惨敗したら、それこそ日本サッカーのレベル低下を証明することになるよ。

 そういう意味で言えば、もっとも注目なのはガンバかもしれない。昨季にリーグ戦、ナビスコカップ、天皇杯を制した三冠王者は、日本国内では敵なしと言えるクラブだ。もし、彼らでも通用しなかったら、JリーグはACL出場枠の削減を自ら提案してもいいくらいだよ。

 今季は、日本協会がACL出場クラブへのサポートを手厚くしているという。昨季までは準々決勝以降のステージに進出した際にインセンティブで強化費を支払うというものだったけど、今季はグループステージから勝利給が出て、ラウンド16から準決勝までの各ステージ進出で、さらに強化費が支払われるという。原専務理事によれば、「昨年の倍」の予算を取ったそうだ。

 協会は、Jリーグ勢のアジアでの存在感を増してもらおうとしているんだろう。ただ、これはやり方が違うんじゃないかな。

次ページACLの認知度を高める努力こそ求められる。

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