【THIS IS MY CLUB】竹原稔社長が愛して止まない鳥栖というクラブ、街。すべては地域の繁栄を願って――

2020年06月30日 古沢侑大(サッカーダイジェスト編集部)

「私は“社長”というより“親父”だと思っていて…」

2011年よりサガン・ドリームスの社長を務める竹原稔氏。スタッフ、選手、サポーターに対するリスペクトは常に忘れない。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部)

 2012年シーズンからJ1で戦うサガン鳥栖は、今季でトップリーグ9年目。今季は、一昨季、昨季と2年連続で緊急登板した金明輝監督をシーズン頭から指揮官に据えている。

 今回、サッカーダイジェストもその一員を成す「DAZN Jリーグ推進委員会」では、「THIS IS MY CLUB – FOR RESTART WITH LOVE - 」と称して、各クラブ関係者へのインタビューを実施。鳥栖では2011年に就任した竹原稔社長に、クラブへの想いやシーズン再開への心境などについて語ってもらった。

――新型コロナウイルスの感染拡大防止のためJリーグが中断されていました。どのようにお過ごしになっていましたか?
「新型コロナウイルス感染症の影響によって世界の状況は日々変化していて、慌ただしい日々を過ごしました。例えばリモートマッチはこれまで経験したことがありません。選手、チームにとっても初めてのことですのでしっかりサポートしていきたいと思っています。私たちはかつて経験したことのないフィールドで、みんなでひとつになり、そして厳しい状況下でも楽しむ姿勢を忘れず、少しでも皆様へ勇気や笑顔をお届けできるように全力を尽くしてまいります。今後も決して気を緩めることなく、サポーター、スポンサーの皆さまの健康を第一に、安心してご来場いただける試合運営を目指していきます」

――サッカーが好きでクラブの社長を目指したのでしょうか?
「選手もそうでしょうけど、誰もがプロになれるわけじゃありません。サッカーは大好きですが、クラブの社長を目標にしていたというわけではないですね。タイミング、ご縁などの巡り合わせで社長を引き受けさせていただいたと思っておりますが、サガン鳥栖をもっと強くしたい、もっとスポーツを通じて地域を元気にしたい、感動を届けたいという想いはシンプルにありました」
 
――サッカークラブの社長として大事にしていることはありますか?
「なぜサッカーチームを運営しているのか、なぜプロスポーツに取り組んでいるか、私たちの存在意義を高めなくてはいけません。一番大事にしているというのは難しいですが、監督、選手、チームスタッフ、アカデミー、サポーター、スポンサー、フロントスタッフ、本当にサガン鳥栖に関わるすべての方々と感動を共有したいと考えています。最近ではリモートマッチをサポーターの皆様にどうすれば臨場感溢れる形でお伝えできるかを中断期間に悩んでいました」

――リモートマッチという形でのリーグ再開になりますが。
「チームを後押しして一緒に戦うサポーターがスタジアムにいないわけですから、難しい試合になると思っています。それでも4月頃は『今年はもう試合ができないんじゃないか。これからどうすべきか』という不安があったなかで、無観客でもまず一歩進めたという喜びが大きいです」

――リモートマッチだと、社長自身も選手と接する機会が減るかもしれません。
「そうですね。良いプレーをしていたら『良かったよ』、負けた時は『上を向こう』、ちょっと落ち込んでいたら『次いこうぜ』みたいに、試合後に選手へ声を掛けることはあります。私は選手を管轄するポジションではないので、あまり細かいことは言いません。良し悪しは別として、私は"社長"というより"親父"だと思っていて、選手、チーム、サポーターは私にとって家族のようなイメージです」
 

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