黄金世代・播戸竜二氏が最も衝撃を受けた選手は?「ヤットより、さらにミリ単位で繊細なパスをくれた」

2020年06月29日 江國 森(サッカーダイジェストWeb編集部)

「ボールに、サッカーに愛されている」

「衝撃を受けた選手」について語ってくれた播戸氏。※写真は取材時のスクリーンショット。

 サッカーダイジェストは、現在「DAZN」で配信中の2010年シーズン第12節、セレッソ大阪対ヴィッセル神戸で解説を務めた播戸竜二氏にインタビューを実施。いわゆる黄金世代の一員として、1999年のワールドユース準優勝という快挙を成し遂げ、日本代表にも選出された播戸氏に、現役時代に「最も衝撃を受けた選手」について伺った。数々の名手とプレーしたストライカーが、「天才中の天才」と評したのは――。

―――◆――◆―――

 サッカーダイジェストさんの「歴代ベストイレブン」という企画で、セルジオ越後さんや色々な方が、「天才や」と言ってましたよね。やはり小野伸二(現FC琉球)です。一番の天才やと思いますよ。
 
 いまも、40歳であんなボールタッチできるやついるんか、というプレーを見せてますけど、初めて見たのは18歳、プロ1年目です。U-19の代表候補に選ばれて、伸二のリフティングを見た時、何をやっても勝てへんやつっているんやな、というのをまざまざと見せつけられましたね。

 ボールがね、伸二に触られると喜んでるというか、ボールの方から伸二に寄って行ってましたよ。俺と伸二がいて、例えば稲本(潤一)が俺にパスを出したとしても、なぜかボールが伸二の方に行くんです! そんな感じです、それぐらいボールに、サッカーに愛されているんですよ。

 なおかつ性格も良いし、周囲の事も考えてくれる。そういう人柄だからあのテクニックがあるのか、あのテクニックがあるからそういう性格になるのか分からないですけど(笑)。本当に天才中の天才ですよ、抜群ですね。

 中村俊輔さんとか、中村憲剛、小笠原(満男)、二川(孝広)とか歴代のすごいパサーと一緒にやりましたけど、伸二のパスが一番柔らかかったですね。ヒデ(中田英寿)さんは、キツ過ぎてトラップできなかった(笑)。伸二のパスはトラップせんでもボールが止まってくれるから。そういうパスを出してくれますから。ヤット(遠藤保仁)もそういう感じでしたが、伸二はさらにミリ単位で繊細なんです。
 

次ページ「イニエスタより、伸二のほうが…」

みんなにシェアする
Twitterで更新情報配信中

関連記事