【リモートマッチ現地レポート】記者席も集合写真もソーシャルディスタンス…ピッチ上での一番の違いは

2020年06月28日 多田哲平(サッカーダイジェスト)

集合写真の時も“社会的距離”を確保

無観客で行なわれた東京V対町田。スタンドには緑の袋を被せて”ホーム感”を演出。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部)

[2020年6月27日 J2リーグ第2節 東京V1-1町田 味の素スタジアム]

 飛田給駅で降り、味の素スタジアムに向かう道中に、ユニホームを着たサポーターの姿はひとりも見当たらなかった。

 普段なら試合前にチームのグッズを身に纏ったサポーターと電車で乗り合わせ、スタジアムへと向かう。しかし駅にも、いつもはサポーターでごった返しているスタジアム最寄りのコンビニにもサポーターの姿はない。

 約4か月ぶりのJリーグの取材は、今までとは様々な面が変わっていた。無観客試合、新名称「リモートマッチ」は、まさに"新様式"である。

 試合の2週間前から体温を測定し、問診票とともに取材の申請を送った。試合当日には、スタジアム入場前に検温&アルコール除菌。さらに、これまで紙に社名と名前を記入していた受付の方法が、モニター越しによる形式に変わっていた。これは東京Vが独自に実施した方法だという。
 
 社名と名前を伝えて"リモート受付"を済ませ、記者席に直行。普段ならメディア控室で試合までに時間を過ごすのだが、"新様式"では開放されていない。記者席でも他の記者たちと間隔を開けて陣取った。

 選手たちのウォーミングアップを見ていても、今までとは異なる雰囲気を感じる。例えばシュートが決まるたびにゴール裏のサポーターから拍手が起きたりするものだが、当然スタンドには誰もおらず、閑散としている。

 ただし、その代わりにサポーターからのメッセージが大型ビジョンに映し出されたのは一興だった。大人数での声援には迫力は及ばないものの、ビデオメッセージがそのまま流されるので、一人ひとりの想いが伝わり、これはこれで趣深い。また観客席に緑色の袋を被せて"ホーム感"を演出。バッグスタンドの1階席が緑で染まった。

 選手が入場する際には整列はせず、散り散りにピッチへと入っていく。エスコートキッズは不在。さらに集合写真の時も"ソーシャルディスタンス"を確保していた。

 スタジアムのスピーカーから録音されたヴェルディサポーターのチャントが流れるなかでキックオフ。試合中にはCKなどのチャンスの場面になると、度々チャントが流れ出した。
 

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