J再開直前、エスクデロ競飛王が激白! 新天地・栃木への想い、4か国語習得の秘訣、9番を選んだワケ

2020年06月26日 塚越 始

「3歳からサッカーしかしてこなかったけど、『サッカーをしてはいけない』というのは初めて」

今季、栃木に新天地を求めたエスクデロ。チームを躍進に導けるか。(C) J.LEAGUE PHOTOS

 J2リーグが6月27日、いよいよ再開する。注目選手のひとりに挙げられるのが、今季、栃木SCに加入したFWエスクデロ競飛王だ。プロ15年目、31歳になったアタッカーがインタビューに応じ、様々なテーマについて語ってくれた。アルゼンチンとスペインでプロとしてプレーし、浦和レッズにも在籍したアルゼンチン人の父親のもとで日本国籍を取得。浦和でキャリアをスタートさせ、韓国のKリーグ、中国超級リーグ、京都でプレー。新天地を求めたセルが2020年、栃木のためにそのサッカー人生の全てを懸けて戦う。

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――新型コロナウイルスの影響で栃木県に緊急事態宣言が発出されていた間、セルはどのような1日を過ごしていたの?
「僕たちがこのウイルスを前にしてできることはほぼなくて、栃木SCから宇都宮、栃木に住んでいる皆さんであり、サポーターやファンとの交流などを通じて『元気です』と伝え、少しでも元気になってもらえたら嬉しい。そう思って、何ができるのか、いろんなことを考えていました。

 ただ、やはりサッカー選手。サッカーができないことはすごく辛かった。自粛期間は基本的には家にいるしかなくて、ボールを使えてもリフティングぐらい。3歳からサッカーしかしてこなかったけど、『サッカーをしてはいけない』というのは初めて。もどかしさしかありませんでした」

――全体練習ができない間、心掛けていたことは?
「時間を決めていました。自由に起きたり寝たりするのではなくて、ルーティンを決めて、朝の10時、午後の3時からトレーニングをして、近所に人がいない時間帯に走っていました。空いた時間には本を読んだり、勉強もしています。規則正しい生活をできるだけ保つように心掛けています」

――もちろんサッカー界に限った話ではないものの、先がまったく見えないことが、状況をより困難にしていたと思う。
「僕らの場合、『成果』は試合でしか示せません。チームとしても、目に見える『結果』でしか表せない。『結果』につながるかどうか。サッカーの面で、何をすれば正しいのかは分からない状況で、だから基本的には、しばらく自分との闘いになってくるので、メンタルを崩さないように気を付けています」
 

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