【J再開後の注目株|清水】アタッカーからのコンバートが的中!“観ていて楽しい”ボランチ・中村慶太

2020年06月03日 前島芳雄

不意に訪れたボランチへのコンバート

FC東京との開幕戦でボランチとして出場した中村。パスワークの中心を担った。写真:山崎賢人(サッカーダイジェスト写真部)

 新型コロナウイルス感染拡大防止のため各クラブが活動休止していた期間に、多くの選手がSNSでリフティング動画をアップ。そのなかで「バケモンおった」などと現役Jリーガーから絶賛されたのが清水の中村慶太だ。

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 確かにリフティングの難易度は高く、素人目にはなにが起こっているのかよく分からない。それを簡単にこなす中村は、プロから見ても「バケモン」という形容がふさわしいのだろう。

 もちろん、そうした技術の高さはピッチでも表現されている。細かくボールを動かしながら狭いスペースを打開するドリブルや、高精度のキックを活かした効果的なサイドチェンジなどが、その最たる例だ。

 ただ守備面で課題を残し、身体の切れを欠いた時期もあって、アタッカーながらリーグ戦で21試合・1得点と不完全燃焼に終わったのが昨季だった。
 
 そのため今季はオフからしっかりと身体を作り、ピーター・クラモフスキー新監督のハードな練習に初めから難なく対応。昨季から大きく方向転換した戦術にも「しっかりパスをつなぐアグレッシブなスタイルで、本当に求めてきたサッカーだし、自分を活かせると思う」と相性は良好のようだ。

 そんななかで不意に訪れたボランチへのコンバートが転機になった。ボランチの竹内涼が怪我で離脱した影響もあり、これまで2列目や1.5列目のアタッカーだった中村が、FC東京とのリーグ開幕戦で3列目に抜擢されたのだ。プレシーズンで少し経験があるだけで、公式戦では初めてのポジション。しかし、ずっとボランチでプレーしていたのか、と錯覚するほどのプレーぶりで、好印象を残した。
 

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