小島伸幸が選ぶJ歴代最強チーム「とにかく鹿島は対戦したくないチームナンバーワン」

2020年06月02日 多田哲平(サッカーダイジェスト)

苦手意識を植え付けられた94年

小島氏が1位に選ぶ「94年の鹿島」の布陣。MVPにはジーコ、MIPには本田泰人を挙げている。

 5月28日発売のサッカーダイジェストでは、「Jリーグ歴代最強チーム」と題し、現役選手や元日本代表など総勢50名に"歴代で最強だと思うチームトップ3"を選んでもらっている。ここでは元日本代表で、現在は群馬のGKコーチを務める小島伸幸氏の"トップ3"を紹介しよう。

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「小島伸幸氏が選ぶ"最強チームトップ3"」
1位:1994年の鹿島アントラーズ
2位:1998年のジュビロ磐田
3位:2019年の横浜F・マリノス
 
 とにかく鹿島は対戦したくないチームナンバーワン。勝っていても負けていても最後まで走り切るし、一つひとつのコンタクトに緩みがない。先に点を取られた時点で、「これは勝つのは難しいぞ」と思わされてしまう。どの時代に戦っても嫌でしたね。

 なかでも苦手意識を植え付けられたという意味では、やっぱり初めて対戦した94年のチームが印象深いです。当時僕が在籍していた平塚はこの年にJリーグに参入したんですけど、初対戦時にはアルシンドに2点を決められて、2回目の対戦時にはアルシンドとジーコに2点ずつを決められて……。3戦目こそ勝ったけど、4戦目は最後にステージ優勝をかっさらわれて。もう散々でした。

 特にジーコは凄かった。チームに妥協を許さない姿勢を落とし込んだだけじゃなく、秀逸なテクニックで攻撃を操っていました。僕なんてあっさりとFKを決められていますからね(苦笑)。あれは美しい軌道だったなあ……今でも忘れられません。

 あとは潰し屋の本田泰人は厄介な選手でした。いつも中盤の良いところにいるから、それ以上先にボールを運べないんですよ。それに長谷川祥之がいて、黒崎比差支(久志)がいて、空中戦では秋田豊が出てきてと、どこからでも点を狙ってくる。とにかくチームとしても、選手個々を見ても、鹿島は嫌なチームでした。

 次に嫌だった相手が98年の磐田。ドゥンガ、名波浩、福西崇史、奥大介、藤田俊哉らMF陣は賢さと強さを備え、田中誠、鈴木(秀人)くん、服部年宏らDFは当時若く勢いがあり、ゴン(中山雅史)や高原(直泰)の前線は決定力抜群……今振り返っても恐ろしい。

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