今野泰幸が選ぶJ歴代最強チーム「こっちは遊ばれている感覚で、ヘトヘトに。02年の磐田は楽しそうにサッカーをしていた」

2020年06月02日 広島由寛(サッカーダイジェストWeb編集部)

「みんなボール扱いが上手く、これぞパスサッカーというスタイル」

今野が1位に選ぶ「02年の磐田」の布陣。MVPには名波、MIPには中山を挙げた。

 5月28日発売のサッカーダイジェストでは、「Jリーグ歴代最強チーム」と題し、現役選手や元日本代表など総勢50名に"歴代で最強だと思う3チーム"を選んでもらっている。ここでは、ジュビロ磐田の今野泰幸の"最強チームトップ3"を紹介しよう。

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「今野泰幸が選ぶ"最強チームトップ3"」
1位:2002年のジュビロ磐田
2位:2017年の川崎フロンターレ
3位:2014年のガンバ大阪
 シンプルに強いなっていうチームも好きですが、それプラス、見ていて楽しいサッカーに惹かれます。そういう基準で選んだ1位が、02年の磐田。とにかくみんなボール扱いが上手く、これぞパスサッカーというスタイルで、楽しそうにサッカーをしている。

 ポジションが目まぐるしく入れ替わって、空いたスペースを阿吽の呼吸で誰かが即座にカバーする。こっちからすれば、遊ばれている感覚ですよ。もうヘトヘトになる。どこにどうマークについていいか分からなくなるし、これは勝つのが難しいな、と。

 MVPは、やっぱり名波(浩)さん。子どもの頃からずっと見てきた選手ですし、左足だけでゲームをコントロールする姿がかっこよくて、よく真似していましたね。ミスが少なくて、おしゃれなスルーパスも出す。憧れの存在です。

 MIPに選んだ中山(雅史)さんは、得点以外の貢献度も高かったと思います。守備も精力的にこなして、五分五分のボールもキープしてくれる。チームメイトを楽にさせるプレーが頼りになる。何度も裏を狙う動きも質が良くて、相手からすると本当にやっかいなFWです。

 川崎のサッカーも、見ていて面白いですよね。クラブ史上初のリーグ制覇を成し遂げた17年は、パス主体の素晴らしいオフェンスに加え、前線からの攻守の切り替えが早く、ロストしてもすぐに奪い返して、また攻撃を繰り出す。あの年は、そういう戦い方を体現できるメンバーが揃った印象もあります。

 そのなかでも、(中村)憲剛さんはパスの供給源としてはもちろん、ゴールに直結するようなパスも狙っていて、常に脅威でした。ガツガツ当たりに行きたいけど、ポジショニングが絶妙で、無暗に飛び出せない。全体が見えているんでしょうね。潰しに行こうと前に出ても、ワンタッチで剥がされて、次の展開に持ち込まれる。
 

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