反感を買ったワンダーボーイや181億円を残した技巧派MF――リバプールの10番の系譜

2020年06月09日 ワールドサッカーダイジェスト編集部

近年はコウチーニョにマネとヒットが続く

バーンズ(左上)、オーウェン(右上)、コウチーニョ(左下)、マネ(右下)などレッズの10番は多士済々だ。 (C) Getty Images

 サッカー界におけるエースナンバーである「10番」。その栄えある番号をメガクラブでは一体誰が背負ってきたのか。

 固定番号制が導入されたシーズンから現在に至るまで、重役を担ってきたリバプールの10番たちを一挙に紹介する。

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 1987年に加入した技巧派ウイングのジョン・バーンズは、97年まで10年間に渡って10番を背負ったレジェンドだ。加入初年度に17ゴールを挙げて国内リーグ制覇の原動力になるなど、計8個のタイトルに貢献した。

 そんな偉大な先達から弱冠17歳にしてエースナンバーを継承したのが、生え抜きのマイケル・オーウェンだ。圧倒的なスピードとゴール嗅覚を武器に97-98シーズンから2年連続でプレミアリーグ得点王を獲得。ハイライトは、年間24ゴールを挙げてチームを"カップトレブル"に導いた00-01シーズンだ。01年のバロンドール受賞も印象深い。

 アカデミー出身で、絶大な人気を誇った"ワンダーボーイ"は間違いなくクラブ史に残る 10番だが、09年の宿敵マンチェスター・ユナイテッドへの移籍でファンの反感を買い、そのことを怨むファンは少なくない。

 04年から10番を背負ったルイス・ガルシアは"イスタンブールの奇跡"と呼ばれた05年のチャンピオンズ・リーグ制覇に寄与したものの、その後のアンドレリー・ヴォロニンとジョー・コールは期待を裏切った感が否めない。

 しかし、13年1月に加入したコウチーニョは超絶技巧でファンを魅了し、18年1月に約181億円の移籍金を置き土産にバルサに旅立ち、チームに貢献。同じくサポーター人気の高い現エースのサディオ・マネは、類まれな身体能力を利した規格外の突破力と得点力を武器に攻撃陣を牽引。このままナンバー10として"長期政権"を築くかに注目だ。
 
◆リバプールの歴代10番の系譜と戦績はこちら
※プレミアリーグが固定番号制に変更した93-94シーズンから

ジョン・バーンズ(MF/元イングランド代表/在籍期間87~97年)
10番を背負ったシーズン:93-94~96-97
10番時代の公式戦成績:177試合・22得点・10アシスト

マイケル・オーウェン(FW/元イングランド代表/在籍期間96~04年)
10番を背負ったシーズン:97-98~03-04
10番時代の公式戦成績:295試合・157得点・20アシスト

ルイス・ガルシア(FW/元スペイン代表/在籍期間04~07年)
10番を背負ったシーズン:04-05~06-07
10番時代の公式戦成績:121 試合・30得点・3アシスト

アンドリー・ヴォロニン(FW/元ウクライナ代表/在籍期間07~08年、09~10年)
10番を背負ったシーズン:07-08、09-10
10番時代の公式戦成績:40試合・6得点・5アシスト

ジョー・コール(MF/元イングランド代表/在籍期間10~11年、12~13年)
10番を背負ったシーズン:10-11、12-13
10番時代の公式戦成績:42試合・5得点・3アシスト

フィリッペ・コウチーニョ(MF/ブラジル代表/在籍期間13~18年)
10番を背負ったシーズン:12-13~17-18
10番時代の公式戦成績:201試合・54得点・45アシスト

サディオ・マネ(FW/セネガル代表/在籍期間16年~)
10番を背負ったシーズン:18-19~
10番時代の公式戦成績:88試合・44得点・17アシスト(6月1日まで)

構成●ワールドサッカーダイジェスト編集部

※『ワールドサッカーダイジェスト』2020年6月4日号より転載
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