【セルジオ越後の天国と地獄】協会の責任問題を追及するキャンペーンを張るべきだ

2015年02月04日 サッカーダイジェスト編集部

協会は世間の目を「次期監督」に移そうとしている。

アギーレ監督だけを悪者に仕立てる? 協会の姿勢は疑問だ。(C)SOCCER DIGEST

 日本サッカー協会で緊急会見が開かれ、日本代表のアギーレ監督との契約解除が発表された。
 
 その理由として、大仁会長は会見でこんなことを言っている。
 
「昨日2月2日の夜遅くにアギーレ監督に対する検察の告発が受理されたという事実が確認されました。アギーレ監督の告発が受理され、裁判が始まる可能性があります。我々としてはできるだけ影響が出ないように、そういうリスクを排除する必要があると考えました。ということで、今回アギーレ監督との契約を解除するという決断に至りました」
 
 どうも腑に落ちないのは、スペインの現地メディアや日本のメディアに検察の告発が裁判所に受理されたと報じられたのが1月半ばだったこと。それから半月ほどが経過してしまっている。
 
 その間、アジアカップで他国からも八百長のことを突っ込まれ、日本サッカーのイメージは悪くなる一方だった。
 
 アジアカップで優勝すれば、八百長問題に関係なく、指揮を続けさせようと思っていたのだろうか。ところが、ベスト8で敗退してしまったから、さっさと休暇を取らせ、いなくなってから発表したのか。
 
 アギーレにもこの件について語る権利はあるはずだ。それなのにアギーレだけを悪者にして、誰も責任をとらないで、この問題を終わらせようとしている。
 
 大仁会長が「3月の試合には間に合わせたいとは思っている」と言ったけど、これはメディアや世間の目を「責任問題」から「次期監督」に移そうとしているだけだ。メディアもサッカーファンも、こんな分かりやすい餌に食いついて、騙されちゃいけない。

次ページ責任を取るべき人間に、次の代表監督を選ぶ資格はない。

みんなにシェアする
Twitterで更新情報配信中

関連記事