【指揮官コラム】チェンマイFC監督 三浦泰年の『情熱地泰』|名古屋戦の収穫とレベルアップに必要なもの

2015年02月03日 サッカーダイジェスト編集部

名古屋を少しでも本気モードにできたのは少なからぬ収穫。

2月1日に行なわれた名古屋とのトレーニングマッチ。一時は逆転されたが追いつき、2-2の引き分けとした。

 やっと、スタートを切れた――。そんな気持ちでのいわば、リスタートである。
 
 タイリーグの登録期間が1月28日で締め切られ、チェンマイFCは、タイ国内の選手23人、外国籍選手5人(外国籍枠4、アジア人枠1)を登録。ナア・コーチがGK登録しプレーヤーを兼任しているが、実質28人でのトレーニングが1月29日にスタートした。
 
 1月5日からスタートしたトレーニングは、国内外からやって来るテスト生(練習生)が常時入れ替わり、テスト当日に数人が追加され、さらに試合直前になってまた何人か増え、という状態。当然、試合でチェックしてほしいとリクエストされ、メンバープランを急遽変更したり……。そんな時期を経て、やっとチームとして本格的に動き出せた。
 
 ようやくチームとしての形が整ってきたタイミングで行なったトレーニングマッチの相手は名古屋グランパス(2月1日)。相手としては申し分ない。
 
 チェンマイのアルパインという場所でキャンプを張る名古屋とのゲームは、まさしくこれまでチームとして取り組んできた成果が問われる一戦だった。
 
 さすがに名古屋はしっかりとした戦力を持ち、技術・戦術的にも精度の高いサッカーをしていた。一人ひとりのクオリティが高く、我々にとっては難しい試合となった。
 
 それでも、名古屋から良い形で先制点を奪うことができた。その後ミスから追いつかれ、前半を1-1で折り返す。後半は一時逆転されたが追いつき、結果は2-2の引き分けとなった。
 
 我々のテーマのひとつとしたのが、守備の規律、守備のベーシックポジションを意識するということ。攻撃力のあるチームに対して、これを選手たちがどれだけ遂行できるかを観察した。内容的には90分のなかでミスはあったものの、常に意識を高く持ち続け、ファイティングスピリットを失わずに戦い抜けたと感じている。
 
 お互いに結果よりも、今シーズンをどう戦っていくかという方向性を固める大事な時期でもある。我々からすれば、名古屋を少しでも本気モードにできたのは少なからぬ収穫だった。

次ページサッカーを楽しむ姿勢を失わないタイ人選手に“考える”力が加われば…。

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