「点を取っても、動きが違うと…」大黒将志が語る海外移籍と恩師ザッケローニ【インタビュー】

2020年05月30日 渡邊裕樹(サッカーダイジェストWeb編集部)

「イタリアの監督の下でプレーし、本当に勉強になった」

オンラインでインタビューに応じる大黒。写真はインタビュー中のスクリーンショット。

 過去の名勝負を放送する「DAZN」の「Re-Live」で現在配信中の、ガンバ大阪が初タイトルを獲得した2005年J1リーグ最終戦(G大阪vs川崎フロンターレ)で解説を務めた大黒将志。ジュニアから在籍していたG大阪に初タイトルをもたらし、翌年から活躍の場を海外に移した。

 フランスのグルノーブル、イタリアのトリノと欧州の舞台で戦ったストライカーに、海外生活を振り返ってもらった。

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――海外でプレーするうえで日本と違いを感じた点は?

「まずはピッチですね。向こうはぐにょぐにょしていて、土壌の違いを感じました。それと、日本では上手い選手が良い選手というイメージですけど、海外では戦う部分とか、結果を出せることだが重視されていました。練習はダメでも試合では良いというプレーヤーも多くて、より試合を、結果を意識するようになりました。フランスには長くいるつもりもなかったし、早く移籍できるようにという想いで頑張って、何とか結果も出せて半年でイタリアに移籍できました」
 
――当時のトリノを率いていたのは、後に日本代表を指揮するアルベルト・ザッケローニ監督でした。

「イタリアの監督の下でプレーし、本当に勉強になった。凄く細かい点にも気を配り、1週間ほぼ戦術練習しかしないことも。守備のポジショニングは特に細かくて、1メートルどころか50センチくらいの細かいポジションの修正も指摘されました。攻撃の時も動きがあって、それが衝撃でした。3トップだったので、センターフォワードに入ったらどうする、ウイングの場合はどうする、と決まり事が多かった。たとえ紅白戦で点を決めても、『動きが違う』『そうじゃない』と言われたりする。『点が入っているんだからいいんじゃない?』とも思いましたよ」

――コミュニケーションは上手く取れていた?

「とても紳士的で、僕に対しても親切にしてくれた。個別にアドバイスもしてくれましたし、試合に出られない時も、その理由を丁寧に説明してくれた。例えばチーム状況が良くないから、良いプレーしているけど出せないとか」
 

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