佐藤寿人が選ぶJ歴代ベスト11「華麗で、闘えて、走れるメンバー。中盤でより評価されるべきは…」

2020年06月05日 本田健介(サッカーダイジェスト)

FW目線ではSBはどれだけ良いクロスを供給できるか

赤字で囲っているのがマイベストプレーヤー。「ヤットさんはパスに加えて点も取れ、FKも蹴れて、ゲームも作れる。そしてあまり表には出ませんが、めちゃくちゃ走っている。常にポジションを変え、受けやすい角度やボールの置き場所を作っているから体力のロスが少ないんですよね。そしてずっと高いクオリティを維持しているのは凄すぎます」とのこと。

 サッカーダイジェストで数々の名手たちに回答してもらっている"マイベストイレブン"。これまでのJリーグの歴史で"最強の11人"はどんな顔ぶれなのか。人選の条件は、現在までに登録されたJリーガーで、外国籍選手は3人まで。今回は歴戦のストライカーで、昨季から古巣の千葉に戻り、J1復帰を目指す佐藤寿人に"マイベストイレブン"を選考してもらった。

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 いやー、本当に難しいですよね。他の皆さんも迷ったと思いますが、僕も相当に悩みました。でもひとつ基準を作ろうと、今回は僕がプロデビューした2000年から切磋琢磨し、Jリーグで一緒に活躍してきた選手を中心に組んでみました。

 まずGKはナラさん(楢﨑正剛)です。守護神として必要なものをすべて備えており、2010年には名古屋のリーグ制覇の原動力となって、GK初のリーグMVPに輝きました。人間性も素晴らしいですよね。名古屋がJ2を戦った2017年と翌年の18年にチームメイトとして一緒にプレーできたのは嬉しかったです。

 GKでは広島時代のチームメイト(西川)周作も候補になります。ただ周作はこれからさらに伸びるはず! その時に改めて選出しましょう。
 さて次はフィールドプレーヤーですよね。この話をいただいた時に、周りの選手には「寿人さんが選ぶなら広島のシステムじゃないですか?」と言われたんですよ。でも3-4-2-1に当てはめるとなると難しくて……。そう考えると最終ラインは4枚でいきたいと思います。

 CBは闘莉王とボンバー(中澤佑二)の"最強コンビ"。日本代表でも長らく組んだふたりのコンビネーションは絶妙でした。FWとしては難しい相手でしたが、対戦するのが楽しみでもありました。あのふたりの壁を破ってゴールを奪えるか、毎回、ワクワクしていたんです。

 それにふたりはセットプレーなどから点を奪える。それは非常に大きいですよ。所属したチームでは貴重な得点源になっていましたし、守って、ゴールも決められるとなればチームは助かりますからね。

 SBはFW目線の定義として、最終的にどれだけ良いクロスボールを供給できるかだと思うんです。1対1で仕掛け、突破できるかも注目されますが、突破することは目的ではなく手段。本来の目的はゴールに直結するクロスを送ること。そのクオリティが非常に高かったのが、広島で一緒に戦った、駒野友一と服部公太さんですね。ふたりとも抜群にクロスが上手かった。クロスの質で言えば、ふたりを越える選手はいないかもしれません。

次ページ中盤は一番悩み…

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