石川直宏が選ぶJ歴代ベスト11「中村俊さんに“見習え”と言われた名手は…」

2020年05月28日 白鳥和洋(サッカーダイジェスト)

超攻撃的なサッカーを展開したいという概念で選んだ11人

赤く囲っているのが「MY BEST PLAYER」。石川が選んだのは「小さい頃からの憧れ」と語る三浦知良だ。(C)SOCCER DIGEST

 同じような主旨の企画を何度かやったことがありますが、今回はあえて"身内"のFC東京勢を外しました。このチームならめちゃくちゃ楽しそう、自分が入ったらたくさんパスをもらえそう、そんなコンセプトで選んでみました。

 個人的に1トップ、2シャドーが好きなので、システムは4-3-2-1。超攻撃的に戦いたいです。となると、1トップはボールをしっかりと収めてくれて、さらに点も取れるワシントンがベスト。

 ワシントンはアバウトなボールでもピタッと止めて、そこからチャンスを演出してくれそうです。その巨体で何人かDFを引っ張ってくれるはずなので、空いたスペースに他の選手が走り込むイメージができます。

 シャドーはエメルソンとカズさん(三浦知良)を選びました。スピードに乗った時のエメルソンはファウルでしか止められない印象でした。2004年のリーグカップ決勝でも(FC東京は)さんざん苦しめられましたからね。スピードに乗せる前にどうにかするしかなかったし、本当に嫌な選手でした。

 カズさんはもう、憧れの存在。ボールを持ったらサイドを切り裂いてシザース、という感じです。今なお現役ですし、リスペクトの意味も込めてシャドーに入れました。
 
 中盤の3人は、いろんなパスを出せる。その分、前の選手は走らないといけないから大変でしょうけど(笑)。

 アンカーに福西(崇史)さんや中盤の一角に点の取れる(藤田)俊哉さんを置こうとも考えましたが、現役時代に一緒に代表などでプレーしてボールを受けやすかった俊さん(中村俊輔)、ヤットさん(遠藤保仁)、(中村)憲剛さんの3人に落ち着きました。超攻撃的に行きたいのでポジションを固定せず、流動的に動いてもらいたいです。その結果、どんなハーモニーを奏でるのか。想像するだけでワクワクします。

 守備は……、正直、(田中マルクス)闘莉王と(中澤)祐二さんに頑張ってもらいたいです。茂庭(照幸)も良いCBなのですが、僕が現役時代、圧倒的に抜きにくかったのがこのふたり。闘莉王は球際が強くて、祐二さんはシュートコースを切るのが抜群に上手い。たとえシュートまで持ち込めても、その後ろにはナラさん(楢崎正剛)がいる。

 この3人は互いに互いを知り尽くしているから、安定感は抜群ですよね。気付かないうちに罠に引っ掛かって、GKの止めやすいところにボールを蹴らされる。そういうディフェンスをされそうな気がします。
 

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