「たった48時間でCLの高揚感が恐怖に…」躍進アタランタの指揮官が語った「快進撃の秘密」と「コロナ禍の惨状」

2020年05月22日 ワールドサッカーダイジェスト編集部

「信じるならウチの一員、恐れるなら去ることになる」

近年のアタランタ躍進の立役者が就任4年目のガスペリーニ監督だ。(C) Getty Images

 近年のイタリアで大きく躍進したクラブといえば、今シーズンのチャンピオンズ・リーグ(CL)でベスト8進出を果たしたアタランタだ。そして、北イタリアのスモールクラブを欧州の"G8"にまで導いたのが、ジャン・ピエロ・ガスペリーニ監督である。

 圧倒的な走力を求める指揮官は、英紙『Guardian』のインタビューで「練習で選手たちは苦しまなければいけない。苦しみから勝利は生まれる」と話している。

「練習で走らなければ、試合でも走れない。もちろん、練習で楽しむことも大切だよ。そこからプレースタイルやクオリティーが生まれるのだからね」

 数々の選手を成長させてきた名伯楽は、「ハードワークが結果につながるということを理解するのに必要なほど成熟すると、疲れを感じなくなるようになるんだ」とも述べた。

「我々は大きな投資ができない。だから、欧州の若手を見つけなければならなかった。同じ哲学を持った選手たちをね。我々のプレースタイルを受け入れ、勝者のメンタリティーを持ち、攻撃的で、喜んでハードワークをする選手たちだ。それを信じるならウチの一員、恐れるなら去ることになる」
 
 トレーニングによって高い潜在能力を引き出せるようになった選手の例が、キャプテンマークを巻くアレハンドロ・ゴメスだ。このアルゼンチン産のアタッカーについては、「パプ(愛称)は、良い練習をしてこなかったからポテンシャルを発揮できなかった素晴らしい選手だ」と話している。

「より良いトレーニングをするようになって、彼はレベルが上がり、欧州最高のひとりとなった。彼は時間を無駄にしてしまったんだよ。トレーニングでチャンピオンになれるのだからね。彼はそういう選手になるだけのすべてをずっと持っていた選手なんだ」

さらに、ガスペリーニは「ヨシプ・イリチッチもそうだ。我々は彼を『おばあちゃん』と呼んでいた。みんなに良いヤツでふらふらしていたからだ。練習での努力を増やせと納得させなければならなかった」と続けている。

「心構えが変わってから、我々は『おばあちゃん』と呼ぶのをやめた。今では『プロフェッサー』だ。彼は、すべての練習が楽しいものだと気づいたのさ。そう決めてから、彼は再生した。今季のチャンピオンズ・リーグで5得点は素晴らしい努力の賜物だ」
 

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