スペイン人記者が選ぶラ・リーガ過去20年のベスト11「メッシ、C・ロナウドと3トップを組むのは…」【現地発】

2020年05月17日 アレハンドロ・アロージョ

GKはカシージャスではなく…

バルサから6人、マドリーから5人を選んだアロージョ記者のベスト11。(C) Getty Images

 今世紀に入ってからラ・リーガを10度制したバルセロナ勢が監督を含めて7人という陣容となった。なかでも、その大半をエースとして牽引したリオネル・メッシは、「別格の存在」であり続けている。母国アルゼンチンが生んだもうひとりの英雄、ディエゴ・マラドーナとの比較論は意見が分かれるところだが、確かなことはこれほど長きに渡って、毎週、毎試合のように高いパフォーマンスを披露しているのはメッシをおいて存在しないという事実だ。

 GKには、マドリーの絶対的守護神だったイケル・カシージャスを差し置いてビクトール・バルデスを選んだ。スペイン代表における実績は雲泥の差があるとはいえ、GKに対しても特別な役割を強いるバルサでマシア仕込みの足下のテクニックとセービング能力、そして生来の負けん気の強さを武器に絶大な存在感を発揮。最後尾から2005~2012年にかけての黄金時代に寄与した功績は高い評価に値する。
 
 右SBのダニエウ・アウベスとCBのジェラール・ピケも同様にバルサの躍進に欠かせない守備者だった。昨今、サイドバックの重要性が叫ばれて久しいが、その流れを作ったのが前者だ。とりわけ阿吽の呼吸の関係を築いたメッシとのコンビは、猛威を振るい続けた。後者の魅力は、ピッチ外での振る舞いにも相通じるインテリジェンスの高さだ。冷静さと大胆さを兼ね備え、正確なフィードと高さを武器に長きにわたってDFラインを牽引し続けている。

 スペイン代表でそのピケの相棒でもあったセルヒオ・ラモスも出色の働きを見せ続けている。もともと右SBとして頭角を現したが、CBのポジションを完全にものにし、高い守備能力はもちろん、FW顔負けのゴール前での勝負強さと得点バリエーション、キャプテンシーの高さいずれも一級品のレベルを誇る。

 攻撃力の高さではマルセロも負けてはいない。18歳でマドリーに加入して以来、その異質な才能を披露し続け、いまやサッカー史に残る左SBとなった。このブラジル代表戦士が好調な時は、マドリーの攻撃は機能する。これは決して偶然ではない。
 

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