岩本輝雄が選ぶJ歴代ベスト11「僕が輝けたのは、マルコスがいたから」

2020年04月28日 岩本輝雄

金髪にしたナラのポスターを部屋に飾っていた

赤く囲っているのが「MY BEST PLAYER」。岩本氏が挙げたのは、かつて仙台でゴールを量産したマルコスだ。

 4月23日発売のサッカーダイジェストでは、「Jリーグ歴代ベストイレブン」と題し、現役選手や元日本代表など総勢50名に"マイベストイレブン"を選んでもらっている。人選の条件は現在までに登録されたJリーガーで、外国籍選手は3人まで。

 ここでは、現役時代は日本代表の10番を背負い、パワフルかつテクニカルな左足のキックで観衆を沸かせた岩本輝雄氏の"マイベストイレブン"を紹介しよう。

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 自分が高卒でフジタ(現・湘南)に入った時、ナラ(名良橋)には衝撃を受けたね。世の中にこんなに速い人がいるんだって。もう、ガンガン行くし、身体も強くて、黙々とプレーする。

 同じ寮に住んでいて、ナラは整理整頓された部屋の中で、いつもスパイクを磨いていた。当時は今より無口だったけど(笑)、なんかかっこいいなって。サッカー雑誌の付録で金髪にしたナラのポスターを、自分の部屋に飾ったりもしたからね。プレーも真似したし、憧れの選手だった。
 
 ベルマーレではヒデ(中田)ともチームメイトで、プロ1年目からその実力はずば抜けていた。左サイドで、僕がSB、ヒデが2列目で、一緒にやっていて、楽だったよね。スペースへの飛び出しが抜群に上手い。代名詞の"キラーパス"より、むしろパスを引き出す動きのほうが、強く印象に残っている。筋トレも一生懸命にやるし、努力家の一面も。

「MY BEST PLAYER」は、ベガルタで一緒に戦ったマルコス。"いざとなったらマルコスに上げろ"って、それぐらい頼りになるFWだった。圧倒的な高さでゴールを狙う。ニアに入るタイミングも良いし、ファーにふわっとしたボールを上げても反応してくれる。アバウトにクロスを入れても合わせてくれる。

 練習からよく話し合っていたし、お互いに分かり合えていた。僕がトラップしてルックアップ、マルコスは動き出している。まさに阿吽の呼吸だよ。マルコスがいたからこそ、自慢のキックでゴールチャンスをお膳立てするのが得意な僕も輝くことができた。
 

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