ベイルらを管理し移籍市場で影響力発揮!保有権売買にも手を出す『ステラー』とは?

2020年04月18日 片野道郎

欧州、南米の移籍マーケット全体に大きな影響力を

『ステラ―』のバーネット(左端)とマナセー(左から2人目)。写真:Instagram

 イングランドで『ベースサッカー』と勢力を二分する『ステラー・フットボール』は、顧客とするプレーヤーの時価総額で『ジェスティフト』(ジョルジュ・メンデス)、ミーノ・ライオラ、『リアン・スポーツ』(ファリ・ラマダーニ)を上回る最大規模のスポーツ・エージェンシーだ。
 
 ジョナサン・バーネットとデイビッド・マナセーはその共同経営者で、今やプレミアリーグだけでなく、欧州、南米の移籍マーケット全体に大きな影響力を持っている。
 
 300人を超える顧客(プレミアリーグだけで42人)の中には、ガレス・ベイル、サウール・ニゲス、メイソン・マウント、ヴォイチェフ・シュチェスニーなどメガクラブ勢を抱え、今夏はベン・チルウェルやジャック・グレイリッシュ、ディーン・ヘンダーソンなどステップアップ移籍が囁かれる若手逸材をどう動かすかにも注目だろう。
 
 サッカーにとどまらず陸上、ラグビー、アメリカンスポーツの選手などもマネジメントしている。
 
 ステラーは単なるエージェント業務だけでなく、選手の保有権売買にも積極的。アレックス・サンドロやアラン、ヘロニモ・ルジなど、南米からヨーロッパへの三角移籍でしばしば「迂回路」として使われるウルグアイのデポルティーボ・マルドナードは、実質的に彼らの保有クラブだ。 
 
 バーネット&マナセーはメンデス、ザハビ、ラマダーニといった大物代理人たちと競合というよりも、お互いに人脈を融通し合って利益を分けあう協調の関係にある。移籍マーケット全体において彼ら大物エージェントの寡占化が進行しているのは、まさにそれゆえだ。
 
 FIFAが検討中の仲介人制度改革に対しても、ライオラやメンデスとともに反対運動のリーダー的な役割を担っている。
 
●主な顧客(仲介を含む)
ガレス・ベイル(R・マドリー)
ヴォイチェフ・シュチェスニー(ユベントス)
サウール・ニゲス(アトレティコ・マドリー)
メイソン・マウント(チェルシー)
ダニエル・ジェームズ(マンチェスター・U)
ベン・チルウェル(レスター)
ジャック・グレイリッシュ(アストン・ビラ)
ディーン・ヘンダーソン(シェフィールド・U)
 
文●片野道郎
※『ワールドサッカーダイジェスト』2020年3月19日号より転載
 
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