金崎夢生が語った“古巣”名古屋移籍の理由。初練習で見えた8年前との違い

2020年04月04日 今井雄一朗

本人の意思と名古屋の思惑が一致

名古屋移籍後、初めて練習に参加した金崎。軽快な動きを見せた。写真:今井雄一朗

 想像以上に違和感がなかった。4月3日、練習に初合流し、赤と黒を基調とした名古屋の練習着を身に纏った金崎夢生がクラブハウスから出てきた時、以前から在籍していた選手のような落ち着きと自然な雰囲気に、ある意味で拍子抜けした。

 集まった報道陣はこぞって彼の姿を追い、それは自分も同じだったが、"名古屋の金崎"は字面同様に思った以上にしっくりと来るものがあった。

 3月25日、鳥栖からの期限付き移籍(2021年1月31日まで)で古巣の名古屋へ8年ぶりの復帰が発表された。この移籍は本人の意思と名古屋の思惑の一致によって一気に決まったという。

「自分としても優勝を狙っているチームでプレーしたいという気持ちがあって、その中でグランパスさんが監督を含めすごく興味を持ってくれた」
 
 指揮官からの直接の口説き文句はなかったが、思い入れもある名古屋というチームからのオファーには、やはり心動かされるものがあったようだ。

 名古屋時代の金崎と言えば、若さを前面に押し出したようなゴリゴリのサイドアタッカーで、それが特にJ1制覇を成し遂げた2010年のチームの特徴には完全にフィットしていた。その後、負傷がちになり海外への道を選んだことで、FWとしての才能が開花。日本に帰国した後の鹿島でも鳥栖でも、彼は献身性と決定力が武器のストライカーとして評価を高め続けてきたところがある。
 鳥栖でともにプレーした経験のある吉田豊も、「"闘う"という監督が求めているところを持っている。そして決めてほしいところで決めてくれる、男気のあるプレーができる選手」と金崎を評した。

 金崎自身もそれは自負するところだ。今の自分が何を見せられる選手なのか、と問えば、まずはチームファーストの精神が口をついて出る。

「攻撃の部分が多くを占めると思いますが、あくまでチームが第一優先。チームにとって何が必要で、自分が何ができるかを考えながら、それが得点であったりいろいろな部分であったりもする。今日、初めて練習しましたけど、選手たちと顔を合わせて、話しながら、チームにとって何が必要で、それに対して自分は何ができるかをすり合わせて勝利に少しでも貢献できればいい」

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