アルテタ、シャビ・アロンソ、イラオラ…ソシオ250人の小クラブ出身者が続々と指導者に【現地発】

2020年04月01日 エル・パイス紙

昇格クラブを7位に導く手腕を発揮しているのは?

昨年12月にアーセナルの監督に就任したアルテタはアンティグオコからバルセロナに引き抜かれた。(C) Getty Images

 レアル・ソシエダのホームタウンでもあるサン・セバスティアンにアンティグオコというクラブがある。これまでプリメーラの選手を数多く輩出してきた育成の名門だ。

 1997年、アンティグオコのカデーテ(U-16)がオランダのハールレムで開催されたトーナメント大会に出場した。その参加メンバーの中にはアリツ・アドゥリス、シャビ・アロンソ、ベニャ・サン・ホセ、イバン・ファゴアガら錚々たる顔ぶれが揃うが、彼らはそれから20年以上の歳月が経過した現在も、ワッツアップで「ハールレム97」という名前のグループを作成して交流を続けている。

 同世代でアンティグオコに在籍した選手の中にはアンドニ・イラオラとミケル・アルテタもいたが、前者はカデーテに昇格する直前で、後者はその数か月前にバルセロナに移籍していた。しかし彼らもまた前述の選手たちとともにアンティグオコで汗を流した仲間だ。ワッツアップでは、1999年にレアル・マドリーのフベニール(U-19)を4-2で撃破した試合など当時の思い出話に花を咲かせることも多いが、その一戦でファゴアガとともに得点を決めたイラオラは直後にアスレティック・ビルバオに引き抜かれている。

 この中で今も現役を続けているのはビルバオのアドゥリスのみ。他はいずれも現役を引退し、指導者に転身している。最も記憶に新しいところでは、マンチェスター・シティでジョゼップ・グアルディオラの下でアシスタントコーチを務めていたアルテタが昨年12月にアーセナルの監督に就任した。
 
 その他のメンバーも順調にキャリアを築いている。レアル・マドリーのカンテラで指導者デビューを飾ったシャビ・アロンソは今シーズンから古巣レアル・ソシエダのBチームを指揮。近い将来のトップチーム昇格を期待する声は多い。

 そのソシエダの宿敵ビルバオで、公式戦通算500試合以上の試合に出場するなど長らく活躍したイラオラは、2016年11月にMLSのニューヨーク・シティで現役を引退。昨シーズン、AEKラルナカの指揮官としてヨーロッパリーグの本選出場やキプロス・スーパーカップの制覇などの実績を残した後、今シーズンからセグンダ(2部)のミランデスを率いている。ここまでこの昇格したばかりのチームを7位に導く手腕を発揮しており、古巣ビルバオの関係者は青年監督の動向を注意深く観察している。
 

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