【セルジオ越後】五輪延期で森保監督のA代表専任は不可避。決断できなかった協会は助けられたね…

2020年03月27日 サッカーダイジェストWeb編集部

大会直前になっての延期で、やっと収まるところに収まるようになるんじゃないのかな

U-23とA代表の指揮官を兼任する森保監督。写真:茂木あきら(サッカーダイジェスト写真部)

 新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、ついに東京五輪が1年程度の延期となってしまった。同じ日には、Jリーグが二度目の延期を発表して、J1はゴールデンウィーク明けの5月9日の再開を目指すことになった。

 全世界を巻き込んだまさに異常事態だ。ただ、だからこそ、それぞれがやるべきことを冷静にやっていかなくてはいけないよ。五輪にしろ、Jリーグにしろ、拙速な判断をしたり、煮え切らない議論をして判断を遅らせたりしては、事態が悪くなる一方だ。

 そういう意味で五輪に関しては、U-23日本代表監督も兼任していた森保監督をA代表に専念させる良いタイミング。迷うことなく日本協会が判断すべき局面だよ。五輪が延期になったことで、その五輪の強化日程とワールドカップ2次予選、最終予選の日程が重なってしまう。最終予選は2次予選の相手とは比較にならないから、五輪代表の強化試合に臨みながらA代表の指揮を執ることはまず不可能だし、それで万が一、予選敗退でもしたら目も当てられない。

 すでに、一部のメディアで森保監督の"兼任"を解く方向で協議が進むことになると報じられているけど、当然そういう流れにはなるよね。しかし、そもそも森保監督はA代表と五輪代表を兼務するようになって以降、五輪代表の強化にはほとんど関わることができていなかった。そのツケが回って、1月のU-23アジア選手権(五輪アジア最終予選)でのグループリーグ敗退にもつながっているんだ。

 それ以前から継続性のない選手起用や、3バックだったり4バックだったりという一貫性のないチーム強化には疑問符がついていたけど、技術委員会がもっとしっかり舵を取って評価していれば、より早期に専任へと方向転換できたはずだよ。結局、手をこまねいていた協会は五輪延期の判断に助けられたような形になったものの、兼任にこだわらずまっとうな判断ができていたら、2年は専任監督のもとで強化に打ち込めたわけだからね。

 まあ、大会直前になっての延期で、やっと収まるところに収まるようになるんじゃないのかな。
 

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