TMとはいえJ2相手に10得点!前向きな空気に包まれる広島が、中断期間に取り組むこと

2020年03月08日 中野和也

開幕戦のメンタルと100%同じにもってくるのは非常に難しい

J1リーグ開幕節の鹿島戦は3-0と快勝だった広島。写真:滝川敏之

 サンフレッチェ広島にとって、すべてが順調だっただけに、中断は残念だ。プレシーズンから開幕に向けてやってきたことが、恐いくらいに上手くいっていたからだ。

 政府が「ここ1、2週間が感染拡大か、ある程度の抑制ができるかの瀬戸際だ」というコメントを出したのが2月25日。その翌日、村井満Jリーグチェアマンのリーダーシップのもと、Jリーグは試合の延期を発表した。感情はともかく、この判断を受け入れざるをえない。

 監督も選手も、言葉では「しかたない」と言う。それしか、言いようがない。敵はウイルスだ。しかし、本音はやりたかった。チーム状態を考えれば当然である。

 怪我人もいない。体調不良もない。前からのプレッシャーから高い位置でボールを奪う新しい戦術も、ルヴァンカップの横浜FC戦(2-0)、そしてJ1開幕戦である鹿島アントラーズ戦(3-0)と機能して得点を奪った。目標としていた1試合平均2.0得点という数字に向けて最高のスタートを切れただけでなく、2試合連続完封と堅守も維持。誰もが手応えを感じていた。
 
「ウチのように、ある程度順調に仕上がっていたチームにとっては、これからシーズンだと意気込んでいたところで、バッサリと肩透かしを食らったような状況です」

 選手たちのコンディション管理を司る池田誠剛フィジカルコーチが、今回の中断について語ってくれた。

「人間にとって、集中力を維持するのは自ずと限界があります。その限界を示す線をどこで引いて、どこでリセットしてやるか、メンタルコンディションにとって非常に重要。中断明けに開幕戦のようなメンタルでやれるかどうか。100%同じ状況にもってくるのは非常に難しい。でも、できるだけそこに近づけたい」
 

次ページ休養をどう入れるかが、重要なポイントとなる。

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