元Jリーガーを父に持つ逸材に、大久保嘉人を彷彿させる1年生も…Jスカウト陣も視察した九州新人大会で輝きを放った11人

2020年02月23日 松尾祐希

飯塚の中辻監督が「プロを狙える」と太鼓判を押すのは…

九州新人大会で活躍が光った4選手。左上から時計回りに、野見山(飯塚)、半代(大津)、吉田(九国大付)、一宮(長崎総科大附)。写真:松尾祐希

 高校サッカー選手権が終了して約1か月。各チームは新たなシーズンに向け、スタートを切っている。各地でフェスティバルなどが行なわれるなか、毎年恒例の九州高等学校(U-17)サッカー大会が2月15日から18日にまで開催された。

 九州の実力校が集った今大会、2種年代最高峰のプレミアリーグWESTに籍を置く大津の優勝で幕を閉じた。2日目以降は厳しい寒さに見舞われたものの、Jクラブのスカウト陣が見守る中で選手たちは激しいバトルを繰り広げた。そこで今回は存在感を示した11人をピックアップ。優勝した大津の半代将都(2年)や準優勝した九国大付の吉田晃盛(1年)など、底知れぬポテンシャルを発揮した選手を一挙に紹介する。

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GK
永田健人(創成館/1年)

G大阪Jrユース出身の有望株だ。特に素晴らしかったのはセービング。神村学園との初戦ではピンチを何度も救い、スカウト陣を唸らせた。俊敏性は課題だが、184センチの守護神が持つ可能性は無限大。「将来はG大阪に戻り、日本を代表するGKになりたい」とさらなる飛躍を期す。

DF
磯谷 駿(九国大付/2年)

チームの準優勝に貢献した大型レフティだ。本職はCBで、チーム事情により今大会は左SBで起用されたが、堅実なプレーで応えた。182センチの高さを生かした空中戦の強さと、粘り強い1対1の守りは安定感抜群。また、左足のフィードも及第点以上で、攻撃の起点としても有益だった。

DF
川前陽斗(飯塚/2年)

初出場の飯塚をベスト8に導いた183センチのCB。ミスはあったものの、高さを生かした守備と的確なコーチングで九州の強豪校と互角に渡り合った。足もとの技術も水準以上でビルドアップが出来るのも強み。C大阪や鳥栖などで活躍した父・力也氏の背中を追い、プロ入りを果たせるか注目だ。

DF
古賀照也(日章学園/2年)

鳥栖U-15出身の守備者は1年時からレギュラーを務め、今冬の高校サッカー選手権でも活躍。今季はキャプテンに任命され、今大会は準決勝進出の原動力となった。CBとしては173センチと小柄ではあるものの、気迫の籠ったディフェンスは必見。球際に強く、最後の局面で身体を投げ出せるスタイルは九州随一だ。

MF
永吉飛翔(神村学園/2年)

洗練されたボールタッチと展開力が魅力のプレーメーカー。アンカーの位置から攻撃のタクトを揮い、正確なパスでチャンスを演出した。課題は最後の質。「ボールを持つことはできていたけど、決定的な仕事はできなかった」と有村圭一郎監督が話した通り、ゴール前で怖さを出せるようになれば、ひとつの上のステージが見えてくる。

MF
野見山楽斗(飯塚/2年)

ピッチ全体を俯瞰できる視野の広さが特徴の司令塔。気の利いたポジショニングでボールを引き出しながら、瞬時に味方の位置を把握する能力はピカイチだ。中辻喜敬監督も将来性に期待しており、「プロを狙える」と太鼓判を押す。夏のインターハイでチームを初の全国舞台に導ければ、その可能性はより高まるはずだ。

MF
大島 清(大津/2年)

左足のキックと豊富な運動量がウリのサイドアタッカーだ。鳥栖U-15時代はレギュラーになれず、U-18昇格を逃したものの、大津で才能が開花した。3-4-2-1の左ウイングバックを務め、高精度のクロスから何度もゴールをお膳立て。守備では何度もサイドをアップダウンし、献身的なプレーでチームを支えた。

MF
一宮優斗(長崎総科大附/2年)

無尽蔵のスタミナと神出鬼没の動き出しが魅力のチャンスメーカー。今大会は2トップの一角やサイドを任され、決定的な仕事を果たした。名伯楽・小嶺忠敏監督も「オフサイドになることも多いけど、何度も裏に抜け出せるし、運動量もある」と大きな期待を掛けており、今後の成長が楽しみなタレントだ。
 

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