圧巻の九州制覇!昨季プレミアWEST4位の“公立の雄”大津が見せつけた破壊力と大黒柱の存在

2020年02月21日 安藤隆人

九州新人大会で優勝した大津。破壊力抜群の攻撃の中心にいたキャプテン半代

九州新人大会を制した大津を牽引するキャプテンの半代。決勝でも2ゴールを放った。写真:安藤隆人

 今年の九州新人大会の王者は昨年、プレミアリーグWESTで4位の好成績を残した大津だった。

「今年はキャプテンでもあるので、チームに対する貢献度をもっと増やしたいと思っています」

 こう語るのは攻撃の中枢を担うキャプテンのFW半代将都。彼こそ今年のチームのカギを握る重要なプレーヤーだ。

 持ち味はスピードと技術と戦術眼。背後から来るボールの受け方は秀逸で、次の目的をきちんと把握してファーストタッチをコントロールし、一気にゴールに向かっていく。

 昨年はストライカーとして前線に君臨したが、今年は3-4-2-1の2シャドーの一角に入った。最前線にタメを作れるFW坂本充を置き、半代は前への推進力がウリのFW宮原愛輝と抜群のコンビネーションを見せて相手のディフェンスラインをブレイク。その破壊力は凄まじかった。

「坂本がしっかりと収めてくれるので、僕が前を向いて仕掛けられる。スルーパスや2列目の飛び出しなど宮原と共にバリエーションを持ってプレーすることができています。古閑(健士)監督からも『自由にやっていい』と言われているので、裏に抜け出すだけではなく、落ちて相手のマークをずれさせたり、組み立てからフィニッシュまで関わることで自分の成長に繋がると思って意欲的にやっています」

 この言葉通り、この大会において半代は攻守においてスプリントを繰り返し、周囲との距離感を詰めてボールを集約し、テンポよく配ってからフィニッシャーとして飛び出していくなど、チームにダイナミズムをもたらしていた。

「やっぱり今年の重要なポイントは攻撃だと思っています。守備の部分は相手にシュートを打たれてもブロックできる守備をして、さらに前からもはめていく。予測を徹底して、連動していくのは昨年の1年間で鍛えられたと思います。去年の守備の強さからプラスアルファが攻撃。そこにはこだわってやっています」

 2度目の昇格を果たした昨年のプレミアWESTでの躍進の要因は、手堅い守備にあった。対峙する敵は、東福岡高以外は全てJクラブユースというリーグ編成の中で、前線からのハードワークと、プレスを交わされても最後にシュートブロックやコースを消す守備を徹底して取り組んだ結果、リーグ26失点と3番目に少ない失点数となった(サンフレッチェ広島ユース、セレッソ大阪U-18と同じ数字)。一方で得点数は25とリーグ7位。それだけに半代が言うように今年のポイントは攻撃力の向上にあった。
 

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