「かなり困難な挑戦になるが…」“神様”ジーコが語る本田圭佑のブラジル移籍。CSKA監督時代のエピソードも明かす

2020年02月16日 リカルド・セティオン

「きっと何かやってくれると信じている」

ブラジルのレジェンドであるジーコ(左)が、本田(右)の移籍について私見を述べた。(C)Getty Images

 本田圭佑のボタフォゴ移籍は、ブラジル国内でも小さくない話題となっている。

 まだビザを取得していないため、正式契約は結んでいないが、すでに合流してトレーニングを開始。深刻な財政難に喘いでいるだけでなく、ピッチ上でのパフォーマンスも振るわないチームの救世主となれるのか。

 この2年、トップレベルでプレーしていなかっただけでなく、実戦から離れていた点も含めて、懐疑的な声も少なくない。

 日本のサッカーをよく知る"神様"ジーコ(現鹿島アントラーズTD)は、この移籍をどう見ているのだろうか? 旧知の彼に話を訊いた。

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 ボタフォゴでの入団会見で本田が発した「ジーコには感謝している」という言葉は、私にとっては、嬉しいサプライズだった。あの一言には本当に感謝している。

 日本のサッカーにおいて、本田の世代には優秀な選手がたくさんいる。彼らは皆、努力家で、聡明だ。ピッチ上でのプレーはもちろんだが、ピッチ外の振る舞いはそれ以上に素晴らしい。

 こうした選手たちが日本のサッカーを強くした。名前を出してくれたからではないが、私は本田のことを信頼の置ける選手だと思っている。
 

 33歳という年齢で、このハイレベルで難しいブラジルのサッカーに、よくチャレンジしてくれたと思う。かなり困難な挑戦になるとは思うが、本田のテクニックとフィジカルがあれば、きっと何かやってくれると信じている。実際、ブラジルに到着してまだほんの数日だが、ボタフォゴで活躍できるだけのメンタルの強さをすでに垣間見せてくれている。

 ブラジルでは、どうやら私と一緒に仕事をしたことがあると報道されているようだが、それは事実ではない。本田と同じチームで仕事をしたことはない。彼のプレーを見たことはあるが、それもまだプロになりたての頃の話だ。ただ、その頃から他の選手たちとは違うポテンシャルを持っていたのを、よく覚えている。

 彼をもっとよく知っているのは、ネルシーニョ(現柏レイソル監督)だろう。名古屋グランパスの監督だった時、いつも本田のことを話してくれた。「どんな監督でも自分のチームに欲しいと思う選手だ」と言っていたよ。
 

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