ポグバは一体どうなってしまったのか? モチベーションはマンUを退団するために――

2020年02月11日 内藤秀明

ポグバの忘れてはならない“事実”

相次ぐ故障でチームに絡めていないポグバには、非難の声が浴びせられている。 (C) Getty Images

 昨シーズンのポール・ポグバは圧倒的だった。

 35試合に出場したプレミアリーグでは、13ゴール・8アシストを記録。マンチェスター・ユナイテッドの攻撃は全てポール・ポグバから始まる。そう言っても過言ではないほどに、"赤い悪魔"にとって絶対的な存在として君臨した。

 しかし、今シーズンは一転、フランス代表MFは、アシストこそ2回を記録しているもの、ゴールはゼロ。プレミアリーグでは25節を消化した時点で、わずか7試合出場のみと、ほとんど試合に絡めていない。

 ポグバは、一体どうなってしまったのか。

 ポグバは、今シーズンに入ってから、常に踵に問題を抱えていると言われている。昨年9月初旬に負傷し、同月の末には一度は復帰したものの、復帰戦となったアーセナルとの一戦で故障を再発させてしまう。

 およそ2か月後に行なわれたプレミアリーグ18節のワトフォード戦で26分間、翌節のニューカッスル戦でも後半から45分間にわたってプレー。随所で攻撃の起点となり、献身的なパフォーマンスを見せた。

 しかし、その2試合で再び怪我を悪化させてしまい、2月になった現在に至るまで一度もプレーできていない。練習復帰さえも難しい状況で、ウインターブレイクを利用したスペイン南部でのキャンプにすら合流できていない。

 ポグバを擁護するのであれば、結果を残せていないのは、故障が原因ということだ。実際、年末に披露したパフォーマンスは素晴らしく、今後の活躍を期待させるものだった。

 また、今シーズンのオレ・グンナー・スールシャール監督は、信頼している選手を負傷している状態でも無理に使う傾向にある。穿った見方をすれば、ポグバの度重なる怪我は、指揮官の判断ミスによるものだとも言える。

 しかし、忘れてはならない事実もある。昨年6月、アディダスのイベントに出演するために来日したポグバは、筆者を含む日本の報道陣の前で、「タイミング的にはそろそろ新しいところで、新しいチャレンジをするべきではないかと思っている」とユナイテッド退団を明言していた。

 さらに昨年の秋口の時点で、米メディア『The Athletic』が、「ユナイテッド内には、仮病で練習をサボっている選手がいる」と報道。年末には、「マドリーに移籍するために、ポグバは怪我の状況を偽っている」と、複数のメディアが名指しで6番を批判し始めるようになった。

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