「リオは本田圭佑一色!」「その名はアマゾンまで…」ブラジル人記者が語る異様な“ホンダ・フィーバー”【現地発】

2020年02月08日 リカルド・セティオン

空港にはクラブのレジェンドも歓迎に

ブラジルで一躍スターとなっている本田。ボタフォゴにとっては思っていた以上のフィーバーぶりだろう。 (C) Getty Images

 ボタフォゴに加入した本田圭佑を出迎えるためのフィーバーは、止まる気配がない。

 先日、空港警備にあたる警察の増員が発表されたが、ついにはボタフォゴも30人のセキュリティーを独自に雇った。当日、空港には会長をはじめとしたチームの上層部、そして60年代のボタフォゴを代表するレジェンド、ジャイルジーニョも歓迎に向かう予定となっている。

 かつてクラレンス・セードルフが来伯した際には、出迎えに来たサポーターは2000人近くいたが、今回はそれを遥かに凌ぐ人たちが押し掛けることが予想されている。そのため、リオの空港は、本田が乗った飛行機の到着時間を30分以上ずらすことをリクエストし、厳重な警備体制を固めている。だが、正直なところ、一体どんな騒ぎになるかは、誰にも見当がつかない。

 ちなみに本田の到着の様子は、少なくとも3つのTV局が中継する予定だ。ボタフォゴの公式サイトでは到着3時間前から空港の様子をネットで中継することになっている。

 本田を歓迎するSNSの投稿は「#AeroHonda」のハッシュタグとともに、今も増え続けている。サポーターの何人かは彼の乗ったエミレーツの飛行機がいまどこまで着ているかを速報しているほどの熱心ぶりである。

 ブラジルの全国紙もリオでの異様な盛り上がりを大きく取り上げ、ウルグアイ近くの国境の町からアマゾンまで、今や本田の顔を知らない者はブラジルにいないと言っても過言ではない。おそらく本田は、ホテルの部屋にたどり着くまで、一瞬も気を休めることはできないだろう。ブラジルのサポーターは日本のサポーターのようには大人しくはない。

 土曜日には、本拠地ニウトン・サントス・スタジアムで、本田のプレゼンテーションイベントが開催予定となっている。クラブ史上初の日本人プレーヤーが、初めてサポーターに向けて言葉を放つ場はこことなる。

 空港に行けなかったサポーターも含め、多くが足を運ぶだろう同イベントは、実はチャリティーにもなっている。というのも、観客は入場料を払う代わりに、何かしらの食料を1キロ分持ち寄ることになっている。

 1キロのジャガイモでも、1キロのパスタでも、砂糖でも、とにかく何でもいい。集められた全ての食材は、貧しい人に寄付されることになっている。本田の人気にあやかった粋な演出である。

 お披露目イベントの翌日に、ボタフォゴはマラカナで同じリオに本拠地を置くフルミネンセと州選手権で対戦する予定となっている。この大一番でも、地元メディアのカメラは、おそらく試合観戦に訪れるであろう本田の様子を収めようと躍起になるはずだ。

 とにかく、この週末のリオは、本田一色になりそうだ。

文●リカルド・セティオン
翻訳●利根川晶子

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