ほぼ半数が新加入の福岡、キャンプ初のTMで3発快勝!長谷部新監督が目指す新戦術の浸透度は?

2020年02月02日 中倉一志

「攻守にわたるアグレッシブなサッカー」を目指してチーム作りを進める

地元福岡出身の鈴木。今季でプロ14年目のベテランがチームを牽引する。写真:徳原隆元

「守備から攻撃に出たり、攻撃の時に前に向かうという形は取れていたと思う。全部ではないし、全部が上手くいったわけでもないので、そういう点ではまだ課題も残るが、そういう形が多く見ることができたので良かったと思う」

 キャンプ初のトレーニングマッチとなった1日の金沢戦を、長谷部茂利新監督はそう振り返る。チームのほぼ半数にあたる13人が新たに加わり、新しいチーム、新しい戦術でJリーグ自動昇格を目指す福岡だが、ここまでは順調に推移。長谷部監督も「予定通り」と口にする。

 長谷部監督が目指すチーム作りのキーワードは「攻守にわたるアグレッシブなサッカー」。そのポイントとして、ボールを奪うための高い位置からの連動した守備と、攻守を鋭く切り替えて、シンプルに、素早く、縦に仕掛けることを志向する。この日、選手たちに求めたのも「ボールを奪うためにどうしたらいいかというところで、前へ行こう、アグレッシブに行こうということ」(長谷部監督)。その指示に従って選手たちはアグレッシブにプレーすることに挑んだ。

 それが形になったのが、この日の3ゴール。先制点、そして追加点はCKから生まれたものだが、いずれのCKも、攻撃のスイッチが入った瞬間に、縦方向へのスピードを上げて何人もの選手が絡んだ末に奪ったもの。3得点目の重廣のゴールは、言葉通りに高い位置からボールを奪い、そのまま攻撃へと転じて鮮やかにゴールネットを揺らしたものだ。技術的なミスや、連係面でのズレなどでゴールにはつながらなかったが、ほかにも同じような形から何度もチャンスも作った。

 もちろん、課題も存在する。
「ビルドアップのところで上手くいかないシーンがいくつか見られ、そこは改善すべきところ。守備のところでは誰が行くべきか、どこでスイッチを入れるべきか、どこで取り切るのかはハッキリしていたが、その狙いを外された時にどうするかという部分で改善するところはある」と話すのは前寛之。福満隆貴も「攻撃の面で、もっともっと連係を深めていかなければいけないと感じた」と試合を振り返った。
 

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