天皇杯優勝から4週間…ドウグラスら新戦力を加えた神戸は今季初陣でいかなる姿を見せたのか?

2020年01月29日 松尾祐希

ドウグラスは競り合いの強さ、質の高いポストプレーを披露

今季神戸に新天地を求めたドウグラス。今季初戦は無得点だったものの、随所に質の高いプレーを披露した。写真:松尾祐希

 クラブ史上初の天皇杯優勝から約4週間。アジアの頂を目指すべく、ヴィッセル神戸が沖縄の地でトレーニングに励んでいる。

 今季は1月1日まで天皇杯を戦った影響を受け、準備期間が短い。オフは2日から20日までで、アンドレス・イニエスタら一部の主力は26日からスタートした沖縄キャンプでチームに合流。タイトル奪取、そしてACLの出場権と引き換えに慌ただしいオフとなったのは間違いない。ただ、トルステン・フィンク監督はそうした状況をエクスキューズにするつもりはなく、2月8日のJ1王者・横浜F・マリノスとの"FUJI XEROX SUPER CUP"に照準を合わせる構えだ。

「短いオフを挟んでの準備期間ですが、キャンプはチームの一体感や集中力を高めて仕事をするために大事だと思っている。この期間で新しい選手には馴染んでもらい、ゼロックス・スーパーカップに向けて準備をしてほしい。その試合はもちろん勝つつもり。そのあともリーグ戦やACLが続いていくので、すごく大事だと考えています」(フィンク監督)

 選手たちも指揮官と同じ想いで、新シーズンに向けて準備を進めてきた。今季は短期間で仕上げるべく、一部の選手は10日から自主トレ用のメニューを消化した上でシーズンイン。キャンプ後も体力消耗が激しいフィジカルメニューを消化し、急ピッチでコンディションを整えている。プロ3年目の郷家友太は言う。
 
「2日からオフで22日に始動した。でも、10日から組んでもらったメニューを消化していたので、きつさはあまり感じない。ただ、キャンプ中の走りは本当に苦しい。(青森山田高時代に鍛えられて)自信があった自分も毎回ボロボロになるぐらい走っているけど、沖縄キャンプで身体を追い込めている」

 入念に準備を進めながら、28日には今季初のトレーニングゲーム(45分×2本)として沖縄SVと対戦。イニエスタ、トーマス・フェルマーレン、セルジ・サンペールらはベンチ外となった中で、この一戦で指揮官は選手のコンディションを上げることに重きを置いた。

「今日は、結果と内容をそこまで重視したわけではない。今季最初の試合だったので、練習感覚で選手たちにはしっかりと走ってもらって、コンディションやフィットネス面を上げてもらいたい」

 その中で1本目のメンバーで注目を集めたのは、清水エスパルスから完全移籍で加わったドウグラスだ。昨季限りで現役を退いたダビド・ビジャの代役として期待される点取り屋は無得点に終わったものの、4−3−3の最前線で競り合いの強さや質の高いポストプレーを披露。コンディションを上げている最中とはいえ、今後の活躍に期待できる内容だった。

 指揮官も助っ人FWに一定の評価を与え、「ゴールはなかったけど、彼を獲得した理由は少しだけ示してくれた。彼は裏に抜ける能力もあるし、ボールを収める能力もある。今後は彼にもっと力を発揮してほしい」と期待を寄せた。
 

次ページ西、山口、酒井らを起点にテンポの良い攻撃も展開

みんなにシェアする
Twitterで更新情報配信中

関連記事