「エグいです…」ファン・ダイクの身体に触れた日本人トレーナーが感じた“怪物CB”の凄みとは?【現地発】

2020年01月28日 松澤浩三

関係者たちから聞かれるのは称賛ばかり

世界最高のCBと評されるファン・ダイク(右)は、DFとしての能力だけでなく、フットボーラーとしての実力そのものが抜きん出ている。 (C)Getty Images

 リバプールのフィルジル・ファン・ダイクは現在、間違いなく世界最高のCBだ。タックル、ブロック、インターセプト、プレーを読む力、ヘディング、前線へのフィード。何を取っても一線級で、CBとしての能力だけではなく、フットボーラーとしての実力そのものが抜きん出ている。形容するなら、「スーパーなアスリート」だ。

 この男を間近で見てきた関係者たちから聞かれるのは、称賛ばかり。例えばセルティック時代にファン・ダイクを指導したロニー・デイラは、「私が指導した選手のなかで最大の才能の持ち主だった」とウェブスポーツメディア『ジ・アスレチック』に語り、こう続けている。

「抜群の速さと強さを誇り、空中戦も強い。足下の技術も高くて、常に落ち着いていた。スコットランドに残る選手ではないのは明らかだった」
 ファン・ダイクのそのパフォーマンスを支えているのは、身長193センチの屈強なフィジカルだ。

 サウサンプトン時代にCBでペアを組んでいたジョゼ・フォンテも同メディアのインタビューにおいて、「フィルジルのフィジカルがバケモノ級なのは、サウサンプトンにやってきた瞬間、チームの誰もがすぐに分かった」と述懐している。

 そんな「モンスター」のしなやかな体躯に触れたことのある日本人がいる。フォンテと同じくセインツ(サウサンプトンの愛称)でともにプレーした吉田麻也の個人トレーナーを務める木谷将志氏だ。 

 18年1月にリバプールへと移籍する数か月前のことだった。吉田に紹介されたファン・ダイクは、治療を受けるために木谷氏のもとを訪れたという。数々のトップアスリートを施術してきた木谷氏だが、このオランダ代表は「人類の中の雄、史上最強の身体」の持ち主だったと目を丸くする。

「過去に診てきたどの業界のプロスポーツ選手、アスリートよりもズバ抜けてトップレベル。単純に、ナチュラルに凄い。強くて、柔くて、速い。すべての良いものが集約した身体で、『こいつはすごい』と驚きました」

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