「めちゃくちゃ泣きました」帝京長岡のストライカー晴山岬が明かす“涙のロッカールーム”で起きた事【選手権】

2020年01月12日 手塚集斗(サッカーダイジェストWeb編集部)

敗戦後に選手らを笑顔にしたという出来事とは?

試合後、涙を流す帝京長岡のエース・晴山。写真:山崎賢人(サッカーダイジェスト写真部)

 1月11日、第98回全国高校サッカー選手権、準決勝が埼玉スタジアム2002で行なわれ、帝京長岡(新潟)の健闘虚しく、青森山田(青森)が2-1で2年連続でファイナル進出を果たした。
 
 予選を合わせて、準決勝まで無失点と破竹の勢いで勝ち上がってきた帝京長岡は、立ち上がりから決定機を何度も作り、ゲームの主導権を握った。ボールを保持しては、1トップのエース・晴山岬にボールを集めるも、なかなか決定機を決め切れず、逆に相手に2点を先取されてしまう。後半32分にMF田中克幸が個人技から1点を返すも、追いつくことは出来なかった。
 
 晴山は「たくさんパスが回って楽しかった」と話す一方で、2度訪れたGKとの1対1を決め切ることができなかったことに対し、悔しさを露わにした。
 
「自分もそうですけど、味方も決め切れなくて、今日は点が入らないような流れがあった。その流れを断ち切れるのは自分だったと思うので、その役目を果たせなかったのは悔しいです」
 
 感情が爆発したのは、試合後のロッカールームだった。もう二度と戻っては来ない高校最後の選手権の終幕。「めちゃくちゃ泣いた」という晴山が舞台裏を明かした。
 
「みんな(ロッカールームで)泣いてて、自分もめちゃくちゃ泣きました。でも自分たちの色はそういう色じゃないっていう風に思って、笑かすような出来事が起きて、最後は笑顔で終われたので、自分たちの良さで終われた。(試合に)勝てなかったというのは悔しかったですけど、みんなで笑顔で終われたっていうのは良かったです」
 
 選手らを笑顔にしたという出来事とは、チームでいじられキャラとして愛され、地元新潟の大学へ進学するMF鈴木遼平に対して、全員で一斉に「大学で頑張れよ!」と声を掛けたことがきっかけで全員に笑顔が戻ったのだそう。
 
 チームメイトの笑顔を見たことで、「このみんなとやれて良かった」と改めて感じたという晴山。彼のコメントの端々から、帝京長岡で過ごした3年間がいかに充実したものだったかが伝わってきた。
 
取材・文●手塚集斗(サッカーダイジェストWeb編集部)

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