【特別インタビュー】南野拓実が明かすリバプール移籍の舞台裏。プレーを支えるスパイクへのこだわりにも迫る

2020年01月30日 本田健介(サッカーダイジェスト)

「リバプールからオファー!?」。話をもらった時は驚いた

リバプールへの移籍を果たし、年明け早々にはデビューも果たした南野。2020年への抱負なども語ってくれた。写真:徳原隆元

 リバプールへの移籍を実現し、すでに新天地デビューも果たした南野拓実。この若きアタッカーはヨーロッパのビッグクラブ移籍をどのようにして掴み、どんな成功へのビジョンを描いているのか。愛用するスパイク「ネメシス」の特長とともに、昨年12月にクリスマス休暇で帰国した本人に話を訊いた。

――◆――◆――

――まずはリバプール移籍おめでとうございます。2018-2019シーズンのチャンピオンズ・リーグを制するなど今、ヨーロッパのトップを走るクラブへの加入は日本でも大いに注目されています。

僕も話をもらった時はやっぱり驚きましたからね。「リバプールからオファー!?」と。ビックリしたというのが一番の印象でした。

――確かにリバプール移籍のチャンスはなかなか巡ってくるものではありません。

そうですね、でも移籍の話がどんどん現実味を増して、挑戦したいという想いが強まりました。もちろん簡単なチャレンジではないと分かっています。でも行けるチャンスがあるなら掴みにいくべきだと決断しました。

――リバプールといえばモハメド・サラー選手、サディオ・マネ選手、ロベルト・フィルミーノ選手の強力3トップがチームの顔です。加えて中盤にも錚々たるメンバーが揃います。南野選手がレギュラーを奪うためには彼らとの競争に勝たなければいけません。

前線の3人とは(今季のザルツブルク在籍時に)チャンピオンズ・リーグで対戦していますし、その凄さは肌で感じました。ただ、逆にリバプール戦では自分自身も手応えを感じたんです。例えば攻撃の部分、自分の良さであるターン、動き出し、ディフェンスラインとボランチの間で受けて、チャンスにつなげる、ゴールに絡む部分はチャンピオンズ・リーグの舞台でも通用するなと。リバプールでもそういうプレーはアピールしたいです。
――具体的にリバプールでこうプレーしたいというイメージはありますか?

ザルツブルクでやっていたように素早い攻守の切り替え、ディフェンスラインとボランチの間で受けて攻撃の起点になりたいです。あとはゴールに絡む働き。ターンからシュートへの一連の流れ。ポジショニングや味方との連係を活かせば良さは出せると思います。

――移籍に関して周囲の反応は?

いろんな人からメッセージをもらいました。移籍が決まるまではなんて返せば良いか困りましたが(笑)。でも期待をしてもらえるのは素直に嬉しいですし、皆の想いに応えたいです。

――印象に残ったメッセージは?

やっぱりシンジくん(香川真司)からのメッセージですかね。リバプールへの移籍が実現したのは、僕はシンジくんのお陰だと思っているんです。シンジくんが(ユルゲン・)クロップ(監督)と(ドルトムント時代に)一緒にやっていたのは大きいはず。だからこそクロップのなかで日本人に対する良い印象があったはずなので。

――24歳でのビッグクラブへの移籍。タイミング的には順調、それとも遅いと感じる?

うーん、それは難しいですね……。でもリバプールに行くことが目的ではなくて、そこで何ができるかが重要。だから年齢はあまり気にしていないです。いずれかはビッグクラブでプレーしたかったし、この移籍を成功させたい。でも早いか遅いかはあまり関係ないのかなと。早ければ良いというものではないですし、もし19歳の自分がリバプールに行っても何ができたかは分からないですからね。

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