【横浜】「“けどね”がつく悔しさ」喜田拓也が語る優勝の舞台裏と2020年に向けた意気込み

2020年01月21日 広島由寛(サッカーダイジェストWeb編集部)

「苦しかった時期も自分たちのサッカーをブレずにやり通せた」

優勝後は多忙な日々を送り、菅官房長官への優勝報告で首相官邸を訪れることも。「なかなかできない体験をさせてもらいました」と振り返る。写真:徳原隆元

 自慢の『アタッキング・フットボール』で2019年シーズンのJ1リーグを制した横浜F・マリノス。15年ぶり4度目の栄冠を掴んだトリコロールで、不動のボランチとして攻守に絶大な存在感を放っていたのが、腕章を託された喜田拓也だ。

 育成組織から横浜一筋。誰もが認めるチームのバンディエラは、悲願のタイトルを奪取した昨季をどう振り返るのか。王者でありながらも「自分たちはチャレンジャー」というスタンスで挑む新シーズンに向けた意気込みも語ってもらった。

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――昨季は15年ぶり4度目のリーグ優勝を果たしました。

「優勝が決まった後の数日間は特に忙しい日々を送らせてもらい、優勝するってこういうことなんだと、またそこで実感できましたね。周りの反応も含めて、みんな待っていてくれたんだと思ったし、それだけ大きなことだった、と。

 でも、いつまでもそういう感情に浸ってもいられません。また新しいシーズンが始まるし、2019年は優勝したから、2020年も同じ結果を得られる保証なんてどこにもない。うまく切り替えて戦っていきたいです」

――キャプテンとして、喜田選手の貢献度は非常に高かったと思います。

「いろんなことを考えながら、やっていましたね。一選手としてもそうだし、キャプテンとしても、ひとりの人間としても。それで最後に優勝という結果に結びついたのは良かったけど、自分ひとりだけ頑張っていたかというと、まったくそうではないので。みんなの頑張りがあって優勝できた。仲間への信頼、みんなが信じ合って、支え合って、タイトルを掴むことができた。その成功体験は、かけがえのないものだと思っています」
 
――自分たちのサッカーを信じて、ブレずに貫いたことも、優勝の要因だったのではないでしょうか?

「2018年にアンジェ(・ポステコグルー)監督が就任して、ご存知のとおり、F・マリノスのサッカーはガラリと変わりましたよね」

――堅守を伝統としていたチームが、『アタッキング・フットボール』を掲げて、より攻撃を重視するようになりました。

「スタイルを大きく変える時は、すべてが思い通りにいくわけではありません。それは最初から覚悟はしていました。実際、2018年は残留争いに苦しみました。それでも2019年に優勝できたのは、苦しかった時期も自分たちのサッカーをブレずにやり通せたから。2019年だけ頑張ったから優勝できたわけでもない。2018年から積み上げてきたものがあるから優勝できたと思っています」

――優勝後に口にしていた『F・マリノスファミリー』というフレーズが印象的です。

「そのファミリーの中には、苦しんだ時に一緒に戦った選手たちもいるし、スタッフもいる。もっと遡れば、このクラブの歴史を作ってきた人たちがいる。そういう人たちへのリスペクトをこめて、ああいう表現になりました」

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