「よく似ていると言われるのが…」初の選手権に挑む昌平・鎌田大夢へ日本代表の兄・大地が送ったメッセージ

2019年12月31日 江國 森(サッカーダイジェストWeb編集部)

技巧派集団を中盤でコントロール

30日に開会式に臨んだ鎌田大夢(右)。兄・大地(左)は経験できなかった選手権の舞台でどんなプレーを見せてくれるのか。(C) Getty Images,SOCCER DIGEST

 12月30日に開幕した第98回全国高校サッカー選手権で、優勝候補の一角に挙げられているのが、埼玉の昌平だ。

 選手権では、まだ2回戦を突破したことがないが、夏のインターハイでは、2016年、18年とここ4年で二度のベスト4。今年も世代屈指のドリブラーとして注目を浴びるMF須藤直輝と点取り屋の小見洋太の2年生コンビや、いずれもテクニックのあるMFの紫藤峻と大和海里(ともに3年)など、技術の高いタレントをずらりと揃えている。

 その技巧派集団を中盤でコントロールするのが、司令塔の鎌田大夢(3年)。そう、ドイツのフランクフルトで活躍する日本代表MF鎌田大地の弟だ。

 偉大な兄を持つというだけで、注目を浴びているわけではない。実力も折り紙付きだ。今月23日にはJ3の福島ユナイテッドへの加入が発表されたばかり。大地の背中を追い、Jの舞台に立つことが決まっている。

 ただ、見た目は随分と違う。大地は180センチの長身だが、大夢は170センチしかない。体重も58キロと小柄な部類に入る。

「チームの目標である日本一を成し遂げたいです。個人的にはゴールやアシストなど得点に絡んで、名前を知ってもらえたら」

 そう意気込みを語った鎌田の最大の武器は、「兄に似ていると思う」という必殺のスルーパスだ。

「視野の広さを活かして、スルーパスで決定的な場面を作り出したい。チャンスメークをしてチームに勢いをつけたいですね」

「歩き方とか、ミスした後に下を向くところがよく似ていると言われます(笑)」という兄とは、5歳離れている。大夢が小学1年生の時に6年生だったが、昼休みに一緒にボールを蹴っていたという。

「身近な存在であり、憧れの存在でもあります。ハイライトで兄の試合を観ますが、(アーセナルという)ビッグクラブから2点を取ったのはすごいと思いますし、刺激になります」

 その大地からは、LINEで「がんばれよ」というシンプルなメッセージをもらったという。

 年明けの1月2日に行なわれる興国(大阪)との初戦は、2回戦屈指の好カードと目されている。そこを突破しても、強豪校が居並ぶ"死のブロック"を勝ち上がるのは容易ではない。

 兄が立てなかった檜舞台で、ヒロムが大きな夢を掴めるか――。

取材・文●江國 森(サッカーダイジェストWeb編集部)

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