【選手権・注目校レポート】あえて「土のトレーニング」を重視! “優勝候補”京都橘の強さの秘密

2019年12月30日 松尾祐希

土の上での練習が確かな技術を身に付ける

創部18年目ながらすっかり強豪校の仲間入りを果たした京都橘。今大会の下馬評も高い。(C)SOCCER DIGEST

 直近10年で7度の選手権出場を誇り、2012年度には準優勝を果たしている。昨年は全国の舞台に顔を出せなかったものの、今年は夏冬ともに2年ぶりの出場権を手にした。インターハイでは初の4強入りを成し遂げただけに、今大会でも優勝候補の一角に挙げられている。
 
 なぜ、〝古都の雄〞は、安定して全国の舞台で結果を残しているのか。それは、01年の創部時から指揮する米澤一成監督が、柔軟な発想で強化を行なっているからに他ならない。
 
 5年前から取り入れている、身体の柔軟性を高めるピラティスもそのひとつだ。毎週火曜日に、フィジカルトレーニングの一環として関節の可動域を広げるメニューなどを実施。その道のスペシャリストである和泉彰宏トレーナーは、「無駄な動きをなくし、効率良く身体を動かせるようになる」と、その効果の大きさを語る。
 
 一方で、あえて〝変えていない〞取り組みもある。土のグラウンドで日々のトレーニングを実施することだ。
 
 近年、強豪校のほとんどは人工芝のピッチでトレーニングをするようになり、この10年で練習環境は大きく変わった。だが、京都橘が人工芝の練習場を借りることはない。指揮官が「土の上だからこそ伸ばせる技術もある」と考えているからだ。
 

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