U-17W杯組を加えて新生U-18日本代表が始動! 競争を煽った紅白戦で存在感を見せたのは?

2019年12月20日 松尾祐希

2021年のU-20W杯出場を目指し、“融合”合宿が行なわれる

唐山(中央)らU-17W杯出場組の選手たちも招集され、新生U-18日本代表が始動した。写真:松尾祐希

 異様な雰囲気だった。紅白戦とは思えないほどの熱気が漂い、選手たちは公式戦さながらの迫力でボールを奪い合う。合宿の総仕上げとなる3チーム対抗戦は"サバイバルマッチ"に相応しい内容で幕を閉じた。

 年内最後の合宿を12月16日から福島県のJヴィレッジで行なったU-18日本代表。再来年のU-20ワールドカップを見据え、今回の合宿にはふたつの注目ポイントがあった。ひとつ目がU-17ワールドカップ組を初めてメンバーに組み込んだ点だ。

 これまで影山雅永監督は選手の負担や経験値の蓄積を踏まえ、U-17代表の活動を優先。11月初旬のU-19アジア選手権予選も例外はGKの山田大樹(鹿島ユース)のみで、ほとんどの時間を18歳の選手だけで強化を図ってきた。だが、11月初旬のワールドカップをもって、U-17代表の活動も終了。そこで今回から一学年下の彼らをチームに合流させた。

 そして、ふたつ目が36名の選手を招集した点である。その理由はシンプル。U-20ワールドカップ出場権が懸かる来秋のU-19アジア選手権に向け、選手間の競争を煽るためだ。

 今回はこれまでのコアメンバーに加え、先月のアジア予選を欠場した山本理仁(東京V)、高体連組では成長著しい松村優太(静岡学園)や田平起也(神戸弘陵学園高)がチームに復帰。斉藤光毅(横浜FC)、松岡大起(鳥栖)などの主力候補に加え、西川潤(桐光学園高)や鈴木彩艶(浦和ユース)といったU-17ワールドカップで活躍した選手をチーム事情で呼べなかったものの、構想に入る選手たちがずらりと顔を揃えた。

 そんな彼らの力を試す場として、合宿3日目に用意されたのが3チームによる紅白戦だ。45分1本勝負の総当たり方式で争われたサバイバルマッチ。選手の割り振りも明確で、競争を煽るメンバー構成について影山監督は狙いをこう話す。

「11月のアジア予選に行った選手で来られない選手もいたけど、今回の活動に来ているU-18の選手で(ベストの)メンバーを組んだのがチーム1。チーム2はチャレンジャーチームの位置付け。チーム3はU-17ワールドカップに出場した選手たち。彼らが自分たちの立ち位置を理解しながら、どう戦うのかを見たかった」

 そうした指揮官からのメッセージに、選手たちも狙いを把握し、紅白戦では熱のこもったプレーを見せる。1本目は榊原杏太(名古屋U-18)の得点で1−0で勝ち切ったチーム2が、チーム1に下克上を達成。チーム2とチーム3の顔を合わせとなった2本目では、新顔揃いのU-17組が唐山翔自(G大阪ユース)と三戸舜介(JFAアカデミー福島U-18)のゴールで、2−0で勝利を掴んだ。そして、勢いに乗ったチーム3は3本目でチーム1と対戦。序盤こそ押し込まれたものの、唐山が獲得したPKを自ら決めて1−0で2連勝を果たした。

 この結果に指揮官もしてやったりの表情。「面白いゲームでしたね。狙い通り」と笑顔を見せ、U-17組の快勝劇やチーム2の奮起に一定の評価を与えた。

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