世界最高の守護神ノイアーはバロンドールを受賞できるのか!?

2015年01月02日 ワールドサッカーダイジェスト編集部

史上2人目となるGKのタイトルホルダー誕生は実現するのか。

過去にドイツのGKで最もバロンドールに近づいたのは01、02年に3位だったカーン。これを今回、ノイアーが抜くのはほぼ間違いないだろう。 (C) Getty Images

 マヌエル・ノイアーをFIFAバロンドールに推す声が少なくないのは、ブラジル・ワールドカップで圧巻のパフォーマンスを見せたからだろう。
 
 ビッグセーブを連発しただけでなく、的確かつ果敢な飛び出しでドイツの堅牢を支えた。巧みな足技を駆使して、ビルドアップの起点としても機能。従来のGK像を覆すセンセーショナルなプレーで、母国の24年ぶりとなる優勝の原動力となった。
 
 バイエルンでの活躍も称賛に値する。2013-14シーズンはブンデスリーガとDFBカップの二冠達成に大きく貢献。W杯を経て凄みを増した今シーズンも、ここまで完璧な出来で、有力候補に挙がるクリスチアーノ・ロナウドやリオネル・メッシを凌駕する働きを見せている。
 
 しかし、58年の歴史を誇るこの賞を、GKやDFの選手が手にするのは非常に困難だ。過去の受賞者はわずか4名で、GKに限れば63年のレフ・ヤシンただひとりである。
 
 02-03シーズンにミランをチャンピオンズ・リーグ(CL)優勝に導いたパオロ・マルディーニ、02年にW杯とCLの"ダブル"を成し遂げたロベルト・カルロス、日韓W杯で驚異のセーブを連発したオリバー・カーンらは受賞に十分値する活躍を見せながら、惜しくも手が届かなかった。
 
 それまで単独で主催していた『フランス・フットボール』誌がFIFAとの共催に踏み切った10年度以降は、アタッカー優勢の傾向がより強くなっている。
 
 果たしてノイアーは、こうした不利を跳ね返して、光り輝く「黄金のボール」を手にできるのか。答は、1月12日に開催されるFIFA年間アワードで明らかになる。
 

◎ノイアーに寄せられる称賛の声
 
オリバー・カーン(元ドイツ代表GK)「マヌエルにはバロンドールを受賞する大きなチャンスがある。俺の経験上、GKが選ばれにくいのは分かっている。ただ、ヤツは"フットボーラー"だからな」
 
アンドレアス・ケプケ(元ドイツ代表GK&現代表コーチ)「フランツ・ベッケンバウアー以降、最高のリベロ」
 
ペーター・シュマイケル(元デンマーク代表GK)「ずっと前から世界ナンバー1だね。(彼の領域に)近づいている選手すらひとりもいない。若いGKたちの良い手本だ」
 
ホルヘ・カンポス(元メキシコ代表GK)「歴史上で最も完成されたGKだ。エリア外まで飛び出して、両脚を駆使しながらチームに貢献したりする。それがいかに難しいか。全く信じがたいほどさ。レネ・イギータ(元コロンビア代表GK)を思い起こさせるよ」
 
イギリス『デイリー・メール』紙「ドイツの"偉大なスイーパー"として、ベッケンバウアーやローター・マテウスと肩を並べる」
 
パウル・ブライトナー(元西ドイツ代表MF)「ブラジルW杯では絶対的なスーパースターが1人だけ存在した。メッシじゃない。ノイアーだ」
 
ドイツ『シュピーゲル』紙「ディフェンスラインの後ろで自由にプレーする11人目のフィールドプレーヤー」
 
セサル・ルイス・メノッティ(元アルゼンチン代表監督)「私にとって史上最高のGK。現時点ではなく、オールタイムのベストだ」
 
※ワールドサッカーダイジェスト2014年12月4日号より
協力:遠藤孝輔
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