【E-1選手権】アピールに成功したのは、韓国相手にも存在感を発揮したドリブラーと韓国戦に出場できなかったFW

2019年12月19日 佐藤俊

相馬勇紀は、遠藤渓太とは異なるタイプとして大きな可能性を見せた

3大会ぶりの優勝を逃した日本代表。今大会でインパクトを与えた選手は? 写真:茂木あきら(サッカーダイジェスト写真部)

 18日に行なわれたE-1選手権の韓国戦、日本は0-1で敗れた。

 内容的には後半に良い時間帯もあったが、トータル的には日本は持っている力の半分も出せていなかった。球際、競り合い、局地戦での駆け引き、ゴールへの意識、勝ちたい気持ち……あったとしても、それがピッチ上で見せられないのであれば、ないとの同じ。相手というよりも自分たちでリズムを崩して、流れを相手に渡しており、言ってみればほぼ自滅状態。これでは、海外組がいなきゃ何もできないと言われても仕方ない。

 試合後、森保一監督は「2020年に向けて成長につながるように今回の経験を生かしたい」と振り返った。ザッケローニ監督がこの大会に参戦した時は、ブラジル・ワールドカップの1年前だった。「新戦力の発掘」というテーマの下、多くの若い選手が招集され、プレーし、優勝を果たした。この大会結果をキッカケに山口蛍、森重真人らが代表入りを果たして、その後、代表に定着していった。若い選手がどのくらい戦えるかどうか、見極めるには規模的にもレベル的にもちょうどいい大会なのだ。

 果たして今回はそういう選手、森保監督が言う2020年に繋げられる選手はいただろうか?

 今回の日本代表は23名中、東京五輪世代は14名招集された。

 中国戦はスタメンで橋岡大樹、遠藤渓太、森島司、上田綺世、途中出場で相馬勇紀、田川亨介の7名が出場した。

 香港戦は、大迫敬介、菅大輝、田中駿汰、渡辺剛、古賀太陽、相馬、田中碧、田川、小川航基の9名がスタメン出綬し、上田が途中出場を果たした。

 そして韓国戦では、橋岡、遠藤、田中碧、森島、上田の5名がスタメン出場し、相馬が途中出場を果たした。

 この3試合で2020年に向けて、結果を残して可能性を示したのは、まず相馬だろう。

 もっぱら左アウトサイドでの起用だったが、名古屋時代からの「ボールを持ったら仕掛ける」という意識を今も徹底している。1対1の勝負ではほぼ勝ち、しっかりとセンタリングを上げてチャンスを作っていた。センタリングの精度、中に入る選手との呼吸が多少合わないところもあったが、相馬からクロスが上がった時が一番得点の匂いを感じた。一方守備では韓国戦では相手の強さに身体を張るなど、ここでも1対1では負けない守備を見せていた。

 3バックの左アウトサイドで相馬は、遠藤渓太とは異なるタイプとして大きな可能性を見せた。これからも継続するのはもちろん、もうひとつ前のポジションでのプレーも見てみたい。
 

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